声援は薬にも刃にもなる ワールドカップと心の健康

メンタルヘルス・精神医学から時流を読む
 本稿は当初、日本代表の躍進を祝う内容になるはずだった。しかし6月30日、決勝トーナメント1回戦でブラジルに逆転負けし、日本の挑戦は幕を閉じた。悔しさの残る結果だが、この機会にスポーツ観戦とメンタルヘルスの関係について考えてみたい。  近年、運動として「する」スポーツだけでなく、「観る」「応援する」ことも心身の健康に寄与するという研究が増えている。早稲田大学と埼玉西武ライオンズの共同研究はその代表例だ。60歳以上の高齢者にプロ野球観戦を継続してもらったところ、抑うつ傾向の改善や主観的幸福感の向上、さらには認知機能の維持・向上が確認されたという。観戦がもたらす興奮や一体感、球場での他者との交流が、孤立しがちな高齢者の心を支える可能性を示した点で意義深い。

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  • 精神科医の西多昌規(にしだ まさき)です。メディアなどで話題となっている、あるいは世間の関心を集めている事件や出来事を、精神医学やメンタルヘルスから読み解き、独自の視点をもとに考察していきます。医療・健康問題だけでなく、政治経済や社会文化、芸能スポーツなども、取り上げていきます。*個人的な診察希望や医療相談は、受け付けておりません。
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