皇室典範をめぐる議論をみると、いまだに「明治の伝統」と「日本の伝統」を混同している人が多い。男系男子の皇室典範は、明治22年に井上毅の発明した儒教の模倣であり、日本古来の伝統ではない。それを「神武以来126代の男系の皇統」などという神話で正統化するから論理が破綻してしまう。
自称保守が語る「日本の伝統」は、しばしば本質主義の形をとる。日本人とはこうあるべきだ。家族とはこうあるべきだ。皇室とはこうでなければならない。そこでは、あたかも日本の歴史を通じて変わらぬ本質が存在するかのように語られるが、日本の伝統はそういうものではなかった。
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