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佐々木俊尚の未来地図レポート 2026.6.22 Vol.914
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http://www.pressa.jp/
【今週のコンテンツ】
特集1
グーグルのAIオーバービューがメディアビジネスを破壊する
〜〜人間社会とAIが融合していく未来を考える(11)
特集2
読者の方々からのいろんな質問に答えてみるシリーズ
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■ 特集1
グーグルのAIオーバービューがメディアビジネスを破壊する
〜〜人間社会とAIが融合していく未来を考える(11)
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グーグルで検索すると、検索結果の最上部に「AIオーバービュー」 という要約が表示されるようになりました。これは検索結果にあるさまざまなサイトをAIがクロールし、そこから生成した文章です。このオーバービューを読んでしまえばだいたい満足した回答が得られるので、その先に並んでいる検索結果のURLをクリックする人が減っている……ということがいまたいへんな問題になっています。
ただ気をつけなければならないのは、これを「問題」としているのはウェブメディアであって、メーカーなどの一般企業ではないということ。一般企業は、自社の製品やサービスを購入してくれる動線のひとつであって検索エンジンが終焉に向かい、AIによって代替されることで、SEO(検索エンジン最適化)ではなくAIOとかLLMOと呼ばれるAIへの最適化で対応しようとしています。消費者が検索エンジンを使おうがAIを使おうが、最終的にそこからの動線で自社製品を買ってくれればなにも問題はないのです。
★AI検索でもSEOは変わらない Googleが解説する必要・不要な対策
https://buff.ly/ShZekUW
この記事にあるように、自社の製品への動線をうまく組みたてることができれば、AIは有利に働く可能性があります。「地域密着型のビジネスや物販を手がけている企業にとって、AIは有利に働くかもしれません。AIは回答の中で、店舗情報や商品情報を直接提示することがあります。最大限に活用するには、以下のツールを適切に運用することが推奨されます」
いっぽうでウェブメディアを運営する企業は、自社のサイトを訪れてもらい、そこでウェブ広告を見てもらうことによって収益を立てています。AIオーバービューで読者が満足してしまい、自社サイトを訪れてくれなければ、広告収益はありません。これがメディア業界に激震を起こしているのです。
★グーグルのAI検索、米報道機関に衝撃 サイト訪問不要に トラフィック激減で事業モデル転換模索
https://buff.ly/e0msarm
これは昨年8月の記事ですが、こう書かれています。「米ハフポストや米紙ワシントン・ポストでは、オーガニック検索(広告ではない純粋な検索)からのトラフィックがこの3年で半減した。米ビジネスインサイダーも55%減少し、5月には全従業員の約2割に当たる人員削減に踏み切った」
そもそも現在のウェブメディアの収益構造はどうなっているのでしょうか。
オールドメディア時代からテレビが広告収入オンリーだったのに対して、新聞や雑誌は、販売収入と広告収入の収益が半々でした。これも時代によって変化はあり、もともと販売収益が中心だったのが、1970年代末ぐらいから消費社会が成熟して広告やマーケティングの重要性が言われるようになり、クライアント企業も積極的に広告を出すようになっていった結果、新聞雑誌の広告収益が増えていったという時代背景があります。
1980年代は広告が文化となり、コピーライターやCMディレクターが時代の寵児としてもてはやされた時代だったのも、そういう背景があったのです。
ところが90年代末から普及しはじめたインターネットは、もともとが文化的に「無料」を内在しているメディア空間でした。これはインターネットが大企業中心ではなく、たくさんの個人ユーザーの発信からスタートしたという文化的事情があります。2000年代にホームページの文化や匿名掲示板などが普及し、その後はブログのブームもあり、それら個人の発信はすべて無料でした。有料にしようなんてことはほとんど一顧だにされていなかったのです。
新聞や雑誌が本格的にインターネットに参戦してきたのは、その後からです。ネット文化に合わせて新聞・雑誌メディアも無料で記事を配信するようになりました。オールドメディア側には「なにで利益を出すのかはまだ良くわからないが、とりあえずはお試しで」という気持ちもあったのでしょう。