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高野孟のTHE JOURNAL Vol.754 2026.5.25
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1367》
「トゥキュディデスの罠」を避けて
【2】《CONFAB No.719》
閑中忙話(5月17日~23日)
■■INSIDER No.1367 26/05/25 ■■■■■■■■■■
「トゥキュディデスの罠」を避けて
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前号では、今回の中米首脳会談を端的に要約すれば、
「すがるトランプ氏、突き放す習氏」という図柄であ
り、その中国の姿勢の裏には「この先、米国が衰弱して
いくとの確信」(5月17日付日経新聞)が横たわること
を指摘した。
習近平主席が「トゥキュディデスの罠」の喩えを持ち
出したことの意味も、その文脈で理解しなければならな
い。
●「トゥキュディデスの罠」を避けようという提言
アテネの歴史家=トゥキュディデスは大著『戦史』
(岩波文庫で上中下3冊!)の中で、支配的な大国=ス
パルタに対して新興の強国=アテネが台頭しトップの座
を脅かし始めた時に、スパルタが恐怖を抱きギリシャ全
土を二分するペロポネソス戦争が起きたが、結局アテネ
の敗北に終わったことを記述している。これをハーバー
ド大学ケネディ行政大学院の初代院長で政治学者のグレ
アム・アリソンが2017年の著書『運命づけられた戦争』
(
https://amzn.to/4tYI2z1 和訳『米中戦争前夜』、
ダイヤモンド社、17年刊)で取り上げ、覇権国と新興国
の衝突は不可避ではないが避けることは難しく、そのた
め数十年以内に米中がこの「罠」に嵌って戦争に突入す
る可能性は非常に高いと主張した。
この説については、学問的見地からもジャーナリステ
ィックな視点からも様々な批判があるが、それはさてお
いて、習近平がこれを引きながら「中米は新たなパラダ
イムを構築することが出来るのか」と問いかけたのは、
大胆に推測すれば次のような意味だろう。