田村耕太郎の「FUTURE ASIA PREMIUM」5月21日
【読者の質問-日本のインフラ事業の戦略】
田村耕太郎先生、
初めてメールをさせて頂きます。私はEと申します。現在、大阪に本社を置くファミリービジネスの電気工業会社の経営に関わっております。当社は関西を拠点に、工場・インフラ・大型施設向けを中心とした、特別高圧・高圧受変電設備を含む電気設備工事や保守を主業としております。
私は、「君は、世界がうらやむ武器を持っている」から田村先生のファンで、いつもメルマガを大変興味深く拝読しておりますが、特に5/15号「アメリカの『凶暴な衰退』と中国の冷徹な計算 ― 日本が『世界の工場』に強制送還される日」は、日本の産業構造転換を、地政学・エネルギー・サプライチェーンの観点から非常に本質的に捉えた内容だと感じました。
一般的には目立ちにくい業界ですが、特高・高圧の受変電インフラは、半導体工場、データセンター、AIインフラ、再生可能エネルギー、蓄電池、工場自動化など、今後の日本の産業競争力を支える“電力の動脈”とも言える領域であり、極めてニッチである一方、需要がなくならない分野だと考えております。
先生がご指摘されていたように、今後、日本がフレンドショアリングの受け皿として、半導体・AI・先端製造サプライチェーンの再構築を担う場合、本当のボトルネックは、防衛費そのものというよりも、「水・電力・ロボット・エネルギーインフラ」であり、その周辺に国策レベルの資本が流れ込むという見立てに強く共感しました。
実際、現場レベルでも、データセンター、工場更新、再エネ、蓄電池、高圧受電設備などへの投資拡大を肌感覚として感じております。
一方で、このような産業インフラ領域は、自社も含め、日本では依然として地域密着型・オーナー系・ファミリービジネスが多く、技術力や施工力はあるものの、資本戦略や事業拡張の視点では十分にアップデートされていない企業も多いように感じています。
その前提で、先生にぜひお伺いしたいのですが、
今後10~20年、日本が「世界の工場」あるいは「先端インフラ供給国」として再編されていく中で、我々のような特高・高圧インフラを担うファミリービジネスは、どのようなプレイヤー(商社、PEファンド、インフラファンド、VC、金融機関、政府系機関、スタートアップ等)と接続しながら、どのようなアプローチで、成長戦略を描くべきでしょうか。
また、今後の日本において、最も大きな果実を得るのは、
・実際の施工・運営能力を持つ“リアルインフラ企業”
・資本と案件を束ねる金融プレイヤー
・AI/ソフトウェアレイヤー
・エネルギーやデータセンター等のアセット保有者
のうち、どのレイヤーだとお考えでしょうか。
さらに、日本のファミリービジネス型インフラ企業が、単なる下請け・施工会社から脱却し、次世代の産業インフラプレイヤーへ進化していくために必要な視点があれば、ぜひご教示いただけますと幸いです。
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