[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.751]「国家情報局」設置法案が簡単に衆議院を通過したが、こんな役所に国の生き死にを賭けた戦略判断を委ねられる訳がないだろうに!

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.751 2026.5.4                  ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1364》 「国家情報局」設置法案が簡単に衆議院を通過したが、 こんな役所に国の生き死にを賭けた戦略判断を委ねられ る訳がないだろうに! 【2】《CONFAB No.716》 閑中忙話(4月26日~5月2日) ■■INSIDER No.1364 26/05/04 ■■■■■■■■■■ 「国家情報局」設置法案が簡単に衆議院を通過したが、 こんな役所に国の生き死にを賭けた戦略判断を委ねられ る訳がないだろうに! ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  高市早苗首相の言う「国論を二分する重要施策」の第 1弾として、内閣情報調査室を格上げして「国家情報 局」とし、それを首相以下関係閣僚が統括する「国家情 報会議」を新設するという法案が、4月23日衆議院を通 過した。中道改革連合はじめ国民民主党、参政党、チー ムみらいなども賛成したので、参院でも通過し7月にも この体制づくりが始まる公算が大きくなっている。  しかし、既存の役所の組織をいじくって看板を掛け替 えさせ、同じ人材を流用しただけで、我が政府機関に 「雑多情報収集(information gathering)」から「戦 略情報分析(intelligence analysis)」への質的転換 が生じるなどということがある訳がない。何よりも、そ もそもこの法案を作った国会議員の皆様方に、本当の意 味のインテリジェンスの素質が備わっているのかどう か。まずはそこから議論が始まらなければお話にならな い。 ●インフォメーションとインテリジェンス  実を申せば、私は2002年に早稲田大学で田原総一朗を 座長に始まった全学部学生対象の「大隈塾」授業に参画 し、その翌年から13年間、同塾の一般授業を履修した者 の中から毎年数十名を選抜する高野ゼミを担当したが、 そのゼミのテーマが「インテリジェンスの技法」だっ た。毎年、4月の第1回目の授業では次のようなことを 語った。 ▼まず考えてもらいたいのは、日本語では同じ「情報」 という翻訳が付いてしまうが、インフォメーションとイ ンテリジェンスの違いである。辞書で引くと、インフォ メーションは情報、報道、受付、案内所などであるのに 対し、インテリジェンスは知能、知性、理知などが前に 出てくるが、情報も必ず訳語として加えられている。つ まり、日本語ではこの両者の区別が付きにくい。 ▼例えば米国の国家機関にCIAがあって、これはCentral Intelligence Agencyで、「中央情報局」と訳される が、これは本当は「中央諜報局」と訳した方が実態に近 い。逆にこの場合に英語では「Central Information Agency」と言うことは不可能である。さらに逆を言う と、駅やデパートの案内所、会社の玄関の受付などは、 「はい、女性用のファッションは3階です」とか「トイ レは2階のエスカレーターを上がって左に行った所で す」とか、公開されている情報を要領よく伝えるだけな ので、こういう場合に「Intelligence Center」と言う ことは不可能である。 ▼以上を概念的に分かりやすく整理すると、こうなると 言って図を配布した。この左側から右側へと変換するプ ロセスがインテリジェンス作業であり、その成果物がイ ンテリジェンスである。

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