田村耕太郎の「FUTURE ASIA PREMIUM」2月20日
【読者からの質問ー世界人口の動態】
メルマガとFBのご投稿、大変興味深く拝見いたしております。2月12日の投稿で少子化に触れられておりまして、データの方を当たってみました。
確かに、インドの合計特殊出生率が1.9まで低下したという点は、国家目標であった2.1を下回り、想定より早い段階で少子化局面に入ったことを示す重要なシグナルだと思います。農村部でも置換水準に到達し、都市部ではすでに1.5前後という状況は、南アジアにおける人口転換が加速している証左と言えるでしょう。
もっとも、インドの人口動態が直ちに人口減少局面へ移行するというよりは、今後数十年にわたり若年人口規模を維持しつつ、徐々に高齢化へ向かう「時間差型の人口転換」と理解する方が妥当ではないかとも感じております。こちらは、国連のPopulation Divison のデータを用いましたインド、パキスタン、中国の人口統計予測ですが、インドが予想より下振れするとしても、中国との少子化のペースの差は大きいのではないかと思いました。また、2100年には中国の人口が現在の半分以下の6億3千万人になる一方、相対的に、インドの人口は大きくなり、パキスタンは今後とも人口が増えると予想されますので、先生の専門分野である地政学的にはアジアから激動の時代が始まると言えるのではと思いました。2100年には私は生きてませんが、今と全く違った世界政治の風景が見えるのではないかと思います。
一方で、アフリカについて触れられていた事例は、主として北アフリカや南アフリカ共和国など、すでに人口転換が進んでいる国々であり、サハラ以南アフリカ全体の動向を代表するものとは言えないのではないかと思います。確かに都市化、女性教育の拡大、乳幼児死亡率の低下に伴い出生率は低下傾向にありますが、サハラ以南の多くの国では依然としてTFRが4前後、あるいはそれ以上の水準にある国も少なくありません。地域間の分散が極めて大きく、「アフリカも少子化」と一括りにすることは慎重であるべきと感じました。
おっしゃる通り、少子化はもはや日本固有の現象ではなく、都市化と教育拡大が進む社会ではほぼ例外なく出生率が低下するというのは、世界的な人口転換の大きなトレンドであることは間違いありません。日本はその先頭集団に位置しているに過ぎない、というご指摘には非常に説得力があると思います。
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