「自民党の勝因は?」
10日ほど前の1月31日(土)、小倉競馬場の第6レース「3歳未勝利戦」で、18頭の中で最下位の18番人気の馬が1着になり、17番人気の馬が2着になり、10番人気の馬が3着になるという大波乱が発生しました!1着から3着までを着順通りに当てる3連単の配当は、ナナナナナント!5836万7060円!JRAの3連単の最高額記録を更新しました!100円の馬券が5800万円になったのです!そして、どこの誰かは分かりませんが、この馬券を買ってた人がちゃんといたのですから、やっぱりギャンブルはやめられませんよね♪
そして、この約1週間後の2月8日(日)、またまた過去の記録を塗り替える大きなギャンブルに勝利した人がいます。こちらはどこの誰か分かっていますが、そう、高市早苗さんです。反省ゼロの裏金議員やハンハクチャ容疑者を「真のお母様」と呼ぶ統一教会議員を大勢抱えた上、自らの失言で中国を敵に回して5兆円を超える経済損失が絶賛進行中というマイナス要因まみれの状況で「解散など考えているヒマなどございません」などとと言った舌の根も乾かぬうちの「大義なき解散」!
ギャンブル好きで穴党のあたしでも二の足を踏むような大ギャンブル、競馬で言えば、それこそ最下位の18番人気の馬の単勝に全財産をぶち込むような話です。しかし、高市首相はこのギャンブルに勝ったのです。豪雪に苦しむ人たちなどホッタラカシで、受験シーズンの学生たちなど見て見ぬふりして、復興半ばで放置されたままの被災地の人たちなど完全に無視して、日本列島に「高市旋風」を縦横無尽に吹き荒らして、斜陽だった自民党に衆議院の3分の2を超える316議席をもたらしたのです!
さらに言えば、実際には自民党は330議席も獲得したのに、比例名簿に登録していた候補者の数が足りなくなり、全国4ブロックで計14議席を他党の候補者に譲ったのです。もしもそのぶんも候補者を立てていたら、自民党は330議席になっていたのです。そのため、小選挙区で落選し比例でも復活できなかったのは、大阪5区の杉田水脈候補ただ1人で、他の裏金議員や統一教会議員は、全員が高市人気に便乗して当選することができたのです。
この信じがたい結果について、翌9日のラジオでは、早朝からいろいろな番組で疑問の声が炸裂しました。あたしは自宅で仕事をしていたので、この日は朝から晩までずっとラジオをに流していましたが、どのニュースも「歴史的圧勝」と報じていました。そして、あたしが聴いていたすべての番組で、この異常な規模での自民党の勝因について、パーソナリティーやコメンテーターがいろいろな見解を述べていましたが、だいたい次のようなものでした。
「野党に準備の時間を与えない卑怯な奇襲作戦が成功した」
「ボロが出る前にゴールを駆け抜ける逃げ馬作戦が成功した」
「選挙を人気投票にすり替える推し活作戦が成功した」
「他党の悪口を封印した高市戦略が好感度を上げた」
「多くの有権者が政策ではなくイメージで投票した」
「中国の威圧が逆に働き高市人気を押し上げた」
「野党第1党が自爆してくれた」
あたしも、これらの複数の要因が自民党圧勝の追い風になったのは事実だと思います。しかし、今回の自民党圧勝の裏には、もっと根本的な理由があったと読んでいます。それは、沖縄の全4区を自民党が制したと報じられた時に気づきました。それは、国会議員だけでなく、国民もその大半が「戦争を知らない子どもたち」になってしまったという「月日の流れ」なのです。
前任の石破茂首相の前の岸田文雄首相が就任した時、大嫌いな自民党政権ですが、あたしは1つだけ期待したことがありました。それは、広島選出の初めての首相だったので、こと核兵器に関してだけは、それまでの「安倍路線」とは一線を画して「核兵器禁止条約」を批准してくれると思ったのです。しかし、フタを開けてみたら、批准どころかオブザーバー参加すらしませんでした。
東京で生まれ育った岸田氏にとって広島は、夏休みの家族旅行で訪ねたくらいで、特に思い入れなどなかったのでしょう。後に自民党の衆議院議員だった父、岸田文武氏から「地盤・看板・カバン」を譲り受けた世襲議員なので、単に選挙の地盤が広島というだけだったのです。首相時代に行なった「原爆の日」の祈念式典でのスピーチも、安倍晋三首相にならって、長崎の式典では広島で使った原稿の「広島」を「長崎」に書き換えただけのコピペを使い回していました。
このような人物が「核兵器禁止条約」への参加を前向きに考えるわけなどありません。その上、岸田氏は戦後に生まれた「戦争を知らない子どもたち」の1人なのです。あたしは、期待した自分がバカだったと気づきました。だって、これまでの歴代の自民党の首相の中で、広島や長崎の被爆者やご遺族のことを真剣に考えて、このような悲劇が二度と起こらないように本気で取り組んでくれた人など皆無だったからです。
で、今回の衆院選です。沖縄の4つの選挙区すべてで自民党候補が勝ったのです。これが何を意味するのかと言えば、日本で唯一の壮絶な地上戦が行なわれ、二十万人を超える犠牲者が出た沖縄でも、戦争体験者はわずかになり、その大半が「戦争を知らない子どもたち」になってしまったということなのです。もちろん、広島や長崎と同じように戦争の悲惨さを語り継いでいる人たちもたくさんいますが、それでも選挙でこのような結果が出てしまったということは「絶対に戦争を繰り返さない」と強く思う人が少しずつ減り続け、逆に「戦争を知らない子どもたち」が一定数を超えてしまったということなのです。
今回の選挙中、ツイッター(現・X)では「#ママ戦争止めてくるわ」というハッシュタグが爆発的に拡散されました。あたしも自分の投票証明書の画像に、このハッシュタグを付けてツイート(現・ポスト)しました。言うまでもなく、これは「平和憲法の排除を目論む政党以外に投票する」という意思表示であり「高市政権は戦争への道を突き進んでいる」という事実を示唆したハッシュタグです。
あたしは日本を「戦争する国」になど絶対にしたくないので、このハッシュタグを付けてツイートしましたし、このハッシュタグを使った人はみんな同じ気持ちだったと思います。しかし、選挙結果は正反対、自民党が単独で参議院を無視してどんな法律でも可決できるようになってしまいました。高市首相は選挙戦中盤、勝利を確信したのか「憲法改正」を口にしましたし、選挙後の会見でも明言しました。
選挙後の会見では控えめに「憲法改正に向けた挑戦も進める」と政治家構文に終始しましたが、これは護憲派の国民を強く刺激しないための方便であって、大きな力を手に入れた今だからこそ、焦らず安全運転に徹しているだけなのです。すでに高市首相は小泉進次郎防衛相に憲法改正のための準備を指示し、最短で国民投票に向かうつもりです。
いくら政治に無知で、イメージだけで高市首相を支持して自民党に投票したとしても、高市首相が以前から「日本の平和憲法順守は時代遅れ」と言って「憲法改正」を主張して来たことを知らないわけがありません。それに、そもそも「憲法改正」は自民党の党是なのですから、誰が総裁であれ、自民党に投票するということは「憲法を改正して日本を戦争のできる国にする」という意味なのです。
しかし、今回の選挙では、多くの有権者が自民党を勝たせただけでなく「憲法改正」を発議できる議席を与えたのです。これはつまり「日本を戦争のできる国にしたい」と考えている人が現実的にも多数ということであり、爆発的に拡散された「#ママ戦争止めてくるわ」というハッシュタグが完全に無視されたこととも合致します。
で、こんな流れから、投開票日の翌朝、2月9日(月)のTBSラジオ『森本毅郎 スタンバイ!』を聴いていたら、リスナーの声を聞く「トークファイル」のテーマが「何故こんなに自民党が圧勝したと思いますか?」でした。そして、番組の最後のコーナーで、森本毅郎さんと遠藤泰子さんが読み上げるリスナーからのメールを聴いていたら、その中にあたしの考えとまったく同じ意見があったのです。
板橋区70歳の男性「ようするに『昭和は遠くなりにけり』ということかな。『経済白書』で『もう戦後ではない』と言ったのが1955年(昭和30年)、当時は生き残った戦前の人たちが懸命に日本の経済を立て直しました。もちろん彼ら全員がいずれにしても戦争の悲惨さに裏打ちされていた。戦後80年が過ぎ『戦争を知らない子どもたち』を歌った人たちは高齢者、後期高齢者になろうとしています。私もその1人です。もう誰も戦争の悲惨さを語らない時代になってしまいました。今、新たな戦前が始まろうとしているのです。こうなった責任の一端を私も担っていると感じます。これから高市政権はやりたい放題になるでしょう。憲法改悪、戦争ができる国への転換、徴兵制の導入、国民への締め付けなど、私はこのまま座して死を待つ気もありません。たとえ『蟷螂(とうろう)の斧』となろうとも。」
「蟷螂」とは「カマキリ」のこと、中村愛ちゃん的には「マンティス」ですが、「蟷螂の斧」とは「絶対に敵わない強者にも立ち向かう弱者」の喩えです。このリスナーも『戦争を知らない子どもたち』というキーワードを使っていますが、それと同時に「新たな戦前」というタモリさんと同じ見方もしています。
あたしは3年前、タモリさんの「新しい戦前」という言葉が広まった時に、これは自民党政権が作り出すものだとイメージしました。しかし現実には、あたしたち国民が作り出すものだったのです。もちろん、これは「板橋区70歳の男性」さんやあたしの意見であって、今回の自民党圧勝の勝因については、いろいろな意見が寄せられました。以下、文字起こしして紹介します。
埼玉県富士見市の57歳の女性「国民や野党に考える時間を与えず、サナ活ブームに乗って人気投票したことだ。『私にするか?オヤジにするか?』の二者択一。でも一番の勝因は、国民が選挙後の日本がどうなるかをまったく考えていないということです。本当にがっかりです」
八王子市の74歳の男性「私は選挙における振り子の原理とSNSの相乗効果だと分析します。前回はまさに政治とカネの問題の真っ只中、自民党は280議席から191議席に、戦後2番目に少ない議席となりました。野党は議席を伸ばしたものの何も変わらなかった。石破さんにも期待外れ。そして高市さんの登場で、国民は今度は自民に戻そうと考えた。振り子の原理ですね。さらにSNSでの高市人気の拡散。この2つがピタリとハマったんだと思います」
栃木県73歳の男性「『早苗ちゃ~ん!可愛い~!』街宣に集まった老若男女の数に圧倒された。統一教会、裏金、高市問題発言など、ついにこの間まで庶民の怒っていたことなどは、どこへ行ってしまったのか?まるでアイドルグループのセンター選びと変わるところがないと思います。日本国民の民意はこの程度のものらしい。今、選挙結果を政党ごとに並べると、右寄りに大きく傾くどころか、左が軽すぎて、やじろべえは立っていることさえできなくなりました」
足立区58歳の男性「好き勝手なタイミングで選挙できると思ってそれを行使したから、というのは置いとくとして、他の理由で考えられるのは、国民に余裕がないからじゃないでしょうか。現役世代の負担を減らすと言ったところで、その現役世代もいずれは高齢者になる。医療費を抑えると言っても、いつ病気や障害を負うか分からない。つまり、誰だって起こりうることに備えて保険や税があるはずなのに、そんな将来よりも今が大変なんだから何とかしてほしい。そうした余裕のなさに甘い言葉で囁き、寄り添うように装って他の大きな論点を隠す。そんな感じじゃないでしょうか。私の中での救いは、チームみらいが思いのほか議席を確保したことです。こうした少数政党にがんばってほしいと思います」
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