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§ ぶんぶくちゃいな § vol.560 § 「不明白播客」2026年の中国経済はどこに向かう?:ビクター・シー教授に聞く(後編) §

§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ § 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな § vol.560 § 2026年2月7日発行 § 今週のトピック:「不明白播客」2026年の中国経済はどこに向かう?:ビクター・シー米カリフォルニア大学二十一世紀中国研究センター主任に聞く(後編) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年の展望を語るなら早いうちがよいはずなので、先月配信した「2026年の中国経済」についてのビクター・シー米カリフォルニア大学サンディエゴ分校教授兼二十一世紀中国研究センター主任の「不明白播客」インタビュー後半をお届けする。 筆者はポッドキャスト「不明白播客」(https://x.gd/nVO5B )が更新されれば必ず聞くようにしているが、なぜこのポッドキャストをたびたびご紹介するのかというと、そこに「日本人アナリストや日本メディアにない視点や気付き、分析があるから」だ。 日本人にとって日本語メディアに情報源を頼るのはある意味、いたしかたないのは事実だ。だが、筆者の長年の経験から、日本のメディアに流れる情報だけに頼っていると、どうしても中国(にかかわらず、どこに国に対しても)視点が単一になってしまう。日本語という、世界のある一部でのみ通用する言葉で語られる世界(そしてその語る当人たちも99%が日本語に頼って生きている人たち)は、どうしても日本という立場だけでものごとを判断しやすいからだ。簡単に言えば、中国(やその他の観察対象国、以下同)で起きている、日本に直接かかわりのない(ように見える)出来事はそんな視点からすり落ちていき、日本人読者(視聴者)に伝わらない(A)。 だが、中国現地で生きる人たちは当然ながら、そんなすり落ちた多くの出来事にふれあいながら暮らしている。繰り返すが当然ながら、彼らが四六時中日本や日本との関係を考えながら生きているわけではない。 つまり、日本語話者に向けて大量に発信される日本語による情報は、そんな現地の人たちの肌感覚や視点をすべてきちんと伝えられているとは言い難い。実際、伝えられていない。日本人読者が報道を読んで感じる「常識で捉えれば」とか「普通に考えれば」とかの感想は、あくまでも現地のことをかいつまんで伝える内容に、日本国内の常識や普通を照らしたもので、現地の常識や普通に沿ったものではないのだ。 と言ってしまうと、昨今の風潮のように「メディアとか報道とか読んでも役に立たないじゃん」と短絡的に思うかもしれない。だが、そうではない。 あくまでも、単一視点や単一価値観でしか中国現地を見なければ、見えていないところがもっともっと、ずっと多くの「見えないところがあるよ」ということがわからないよ、という意味である。 もちろん、米国人だってフランス人だってタイ人だって韓国人だって、はたまた香港人だって台湾人だって、メディアの中国に対する視点や注目点はそれぞれに単一かもしれないし、実際に筆者の体験からするとその傾向はある。だが、もし、それらを同時に目を通せば、自分が一つの単独言語のメディアでは知ることができなかった現地事情の側面や裏面が見えてくる。そうして現地事情が肉付けされ、立体的になる。 それでも、「メディアなんて役立たず」と言い続けている人たちは、今の時代の情報収集に追いつけていない人たちだ。今は個人それぞれが自分の求める情報を探し出し、自分から情報を取りに行く時代。家に座って、家のポストに届けられた新聞を開き、猫の背中を撫でながらテレビでダダ漏れする情報を眺めているだけで、「世界が分かる」なんて時代ではないのだ。 ただ、「情報を取りに行く」といっても、検索エンジンで単語を打ち込んで出てくるサイトを眺めていればいい、という話でもない。検索エンジンは、言葉は悪いが味噌もクソも一緒くたに提示してくるし、日本語で検索しても結局日本語オンリーの情報しか流れてこない(ここで上記Aに戻る)。 「いや、今はAIあるし。外国の情報も簡単にわかるよ」と思っている人もいるだろう。 だが、AIは今のところ、簡単にウソをつく。AIは「わかりません」「答えられません」「資料が見つかりません」などと、人間のように素直に答えることがないように設計されているからだ。つまり、AIは質問に対して答えを与えるのが役目だとインプットされているために、簡単にきれいな大嘘をついてでもユーザーに満足感を与えるのだ。だから、今のところ、AI、特に無料で使用する範囲のAIは、「お客様を満足させ(て課金にもっていけ)れば万々歳」の「商品サンプル」レベルでしかない。 だから、まだニュースはやはり、プロによる選別に頼る必要がある。味噌もクソも一緒くた、にならないために、信用できるニュースアンカーたちの報道を軽視することはあってはならないのだ。 そういう意味で、日本語で流布され、手垢のついた視点や話題から離れて、まったくの第三者の世界でどのような分析がなされているかを知る手段として、海外のメディアで流れている話題や情報を読む、知ることはとても大事なことである。 その一環として、多くの知的レベルの高い中国人(海外在住者を含む)に支持される中国人独自が発信するメディアを知ることも大事なのだ。少なくとも筆者は長年、そうすることで多くの情報だけではなく、視点と気づき、そして理解を得てきた。そのお裾分けをする意味で、敢えてこの「不明白播客」のホストを務める、米「ニューヨーク・タイムズ」の記者、袁莉さんに日本語翻訳&発表のご許可をいただいている。皆さんにも、中国の現状を知るための大事な情報源の一環としてご覧いただきたい。 さて、前置きが長くなったが、今回は1月に配信した「2026年の中国経済はどこに向かうのか?」の続きをお送りする。例によって、日本人読者にわかりにくい言い回しや単語には[]にて筆者が注釈を付け加えたので、参考にしていただきたい。 =============================================== ◎ 「不明白播客」2026年の中国経済はどこに向かう?:ビクター・シー米カリフォルニア大学二十一世紀中国研究センター主任に聞く(後編) 袁莉(以下、袁):かつて中国の王朝交代は財政問題が主な原因でした。昔の皇帝も国家金融システムをかなり強く支配していましたが、最終的に破綻を繰り返しています。 ビクター・シー(以下、史):中国共産党ほど経済・金融システムを強く支配している国は他にはありません。まさに前代未聞のレベルです。昔はまだ抜け道があり、今も香港やシンガポールに一部資金を逃がすことができますが、その量は限定的です。政治的支配が弱まれば、一気に資金が逃げ出し、金融システムが崩壊します。だから[共産党は]会合を開くたびに「金融システムの安定ボトムラインを守る」と必ず言っています。トップもこれが死活問題だと知っているのです。 袁:中国は閉鎖的なシステムとなっており、14億人が働いてもそれは財政を支えるためで、お金は外に出ていけない。この閉鎖的なシステムでのみぐるぐる回っている。そうやって国が生き残るために財政システムも維持しなければならないと? それとも別の財政危機が起きる可能性もあるのでしょうか? 史:もちろん輸出がダメになればそうなるでしょうが、現時点ではまだまだそこまでには至っていない。現時点で輸出は非常に良い状態なので、国力はまだ強い。ただ、それは官僚システム全体が中央に強い権力者がいると信じており、その権力が大きいので誰もその路線から逃れることができないと考えているだからこそです。ある日、皆が「自分の利益のために金儲けしよう、中央権力が弱くなったからそんな私を罰することはできない」と思い始めれば、恐ろしいことになります。 袁:そこで何が起きる? 史:それは誰にもわかりません。でも旧ソ連でもそうでしたし、[台湾に敗走した頃の]中国国民党もそうでした。ハイパーインフレになり、国民党幹部は国庫から黄金を盗んでニューヨークに送っていた。国民党のトップたちはセントラルパークのそばに大量の不動産を持っていますが、あれは当時の黄金で買ったんです。またきっとそういう現象が起きるでしょう。 ●中国の輸出は世界成長に寄与していない

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