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佐々木俊尚の未来地図レポート 2026.1.26 Vol.893
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【今週のコンテンツ】
特集1
コンプラ違反のリスクが高い恋愛よりも、ローリスクな仲間がいい
〜〜話題の本「Z家族」に見る現代の若者の恋愛と友情
特集2
法学と工学というふたつの社会的アプローチ
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■ 特集1
コンプラ違反のリスクが高い恋愛よりも、ローリスクな仲間がいい
〜〜話題の本「Z家族」に見る現代の若者の恋愛と友情
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博報堂生活総研の新著「Z家族」が話題になっています。
★「Z家族~データが示す『若者と親』の近すぎる関係」Kindle版
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1990年代なかばから2010年ごろまでのあいだに生まれた世代を「Z世代」と呼ぶことはすでに定着していますが、この本のタイトルはなぜ「Z家族」なのでしょうか。それはこの世代の家族観が、上の世代とくらべてもかなり変化してきているからです。
この本では、通俗的な「今どきの若い者は」論をやんわりと批判しています。たとえばZ世代の若者は「空気を読みすぎる」とか「相手と意見が違っていても反論しない」とか「目立つことを好まない」などと言われていますが、博報堂生活総研の調査によると、40〜50代の回答結果も同じような傾向があり、若者の回答とほとんど差が無いのだとか。
つまり言われている「今どきの若い者は」論は、若者に限らず「今どきの令和に生きている現役世代は」と言いかえてしまっても大丈夫。年齢に限らず、最近の日本人はみんな空気を読みすぎ、反論したり目立つことをしたがらないということのようです。言われてみればたしかに。
ではZ世代に特有な変化はどのようなものがあるかといえば、同書によると最近の若者は「親から殴られなくなった」というシンプルな変化があるそうです。「親から殴られたことがある」と答えた人は、1994 年には70%だったのが、2024年にはほぼ半減し、3人に1人になっているとか。
この結果、親子の関係はとても良くなっている。引用しましょう。
”かつては、子どもサイドから見ると「大人たちが選ぶものは古くてダサい」、大人サイドから見ると「若いやつらが選ぶものは奇抜ではしたない」という埋めがたい対立構造があったわけです。ところが、今の親子は激しくぶつかり合うことなく平和に仲良く共存しています。
その背景としておさえておきたいのが、ある時代までは世代や年齢によって分断されていた価値観や嗜好の違いが、目に見えて縮まってきているという現象です。つまり、親子間の「感覚のギャップ」がどんどん小さくなってきているのです。私たちはこの現象を、年「齢」が「消」える――「消齢化」と呼んでいます。”
こうした流れの中で、Z世代は家族との関係は非常に強くなっていることが同書では繰り返し語られます。
ここで面白いなあと思ったのは、Z世代の家族は個室にそれぞれ閉じこもるのではなく、リビングに集まって一緒に過ごしている。でも同じことを皆でしているのではなく、それぞれがスマホで動画を見たり、ポッドキャストを聴いたり、音楽を聴いたりしている。そこで注目されているのが、オープンイヤー型のイヤフォンなのだとか。耳を塞がないので、音楽を聴きながら周囲の音にも気づけるのが特徴で、「こどもが話しかけてきたらすぐに気づくことができる」と重宝されているのだとか。
Z世代の家族のなかでもとくに重要な存在は母親で、昭和のころの専業主婦の時代には、母親はいつも自宅にいて寄り添ってくれる安心感のある存在でした。しかし令和の母親は働いてキャリアを積んでいるため、ただ安心感があるだけでなく、的確な仕事や学業のアドバイスもしてくれるメンター的な存在になっているのだといいます。
この本には他にも面白い分析がたくさん出てくるのですが、本メルマガで今回言及したいのは、Z世代の恋愛観の変化です。これが非常に興味深いのです。たとえば、「友人として交際している異性がいる」という質問には、1992年には男性で 19.2%、女性で 19.5%いました。ところが同じ質問に2021年には男性で4.7%、女性で6.0%。「もはや絶滅が危惧されるまで激減しています」と。