トランプ大統領がグリーンランドの領有権を主張。大統領は「欧
州がグリーンランドの全面的な買収に合意しなければ」、
2月1日から欧州に10%関税を、6月1日からはさらに引き上げ
て25%
課すと脅しています。怒り心頭に達した欧州も報復関税を準備。
アメリカと欧州の間で再び関税戦争に火が付く可能性が急浮上し
て、内外の株式市場は動揺しています。
温暖化で北極海の氷が解けている中、北極圏が「地政学的な要所」
として覇権国家から急速に注目を集めるようになっています。
近年氷が薄くなったことでロシアの原子力潜水艦はより頻繁に北
極圏を航行できるようになりました。中国の原子力潜水艦も20
30年までにはより頻繁に北極圏を航行できるようになるとされ
ています。中ソにとって北極圏はアメリカ本土はもちろん、ヨー
ロッパ諸国にも最短距離で核ミサイルを撃てる位置にあり、しか
も氷の下は西側に探知されにくいというメリットがあるのです。
いまや、北極圏に位置するグリーンランドは、アメリカにとっても
欧州にとっても国家安全保障上の要所になっているのです。
北極圏の氷が解ける中では、北海航路は航行距離を短縮できるの
で、軍事用のみならず、商業用としても注目を浴びています。
しかも、グリーンランドの地下には世界でも最大級の「未開発の資
源」が眠っており、特にレアアース(希土類)、リチウム、ウラン、
ニッケル、金、そして大量の石油・天然ガスが豊富です。
近年は、アメリカ、中国、EUがこのグリーンランドの豊富な地下
資源の確保を狙い、政治的な駆け引きが激化していました。
中国は、北極海航路を「第三の海上シルクロード」として位置付け、
グリーンランドで鉱山投資や空港建設に積極的に行っています。
ドンロー主義を掲げるトランプ大統領から見れば、デンマークに
グリーンランドの領有権を認めたままでは、安全保障上、
危機感極まりないと言いたいところ。
トランプ大統領が唐突にグリーンランドの領有権を主張したこと
で、世界のマスコミは上へ下への大騒ぎですが、トランプ大統領
は頭が狂ったわけでは決してなく、アメリカおよび欧州の国家安
全保障の観点からかねてから緻密に計算されたものでしょう。
今回のグリーンランドの領有権を巡って始まったかのように見え
るアメリカ・欧州間の関税戦争の点火も、おそらくトランプ流の
「最初は激しい態度をとって、やがて落としどころを探ってゆ
く」形で進行するものと見てよいのはないでは?
アメリカはグリーンランドを実際に領有するでしょう。しかしな
がら、今回の件も最終的には、アメリカを含めて欧州の安全保障
をも高める「落としどころ」を見つけて、グリーンランドの鉱山
開発でも欧州諸国が資本参加できるというような「より穏便な
形」で、一件落着するのではないでしょうか?
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)