2026年1月27日公示予定の衆議院解散総選挙は、精神科医療の将来を左右する重要な岐路となる。高市早苗政権による現役世代重視の医療費抑制路線の継続か、立憲民主党と公明党が結成した「中道改革連合」による包摂的医療への転換か――その選択は、医療保険行政と薬価政策を通じて、精神科医療の基盤を根本から変える可能性がある。しかし、それぞれの政策には深刻な問題点が潜んでいる。
日本の精神科医療は深刻な構造的問題を抱えている。精神疾患患者数は614万人と5疾患中最多でありながら、病床数は約30万床でOECD諸国の4倍以上という過剰な入院体制が続く。この背景には1950年代の「精神科特例」がある。医師・看護師配置を一般病床より緩和し、民間主体の精神科医療を拡大させた結果、長期入院が常態化した。現在でも1年以上の入院患者が16万人、20年以上が1.9万人に上る。
高市政権継続の場合、精神科医療は厳しい制約下に置かれる。政権は診療報酬本体を2年平均で3.09%引き上げたが、これは実は両刃の剣だ。高市氏は現役世代・勤労者世帯・中間層の支援を重視しており、「弱い人を守る」よりも「頑張る人が報われる」理念が強い。このため、精神障害者のような脆弱な立場の人々への支援は後回しにされる懸念がある。
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