皆さんこんにちは!精神科医のkagshunです。
3回にわたってお届けしてきたChatGPT Healthシリーズも、いよいよ最後です。
第1話では、この新しいAIが私たちの医療体験をどう変えるかの技術的な可能性を。
第2話では、OpenAIがなぜ医療という複雑な領域に参入したのか、その背景にある壮大な戦略を解説してきました。
そして最終話となる今回は、いよいよ舞台を私たちの暮らす、日本に移します。
国民皆保険制度という世界に誇る(?)システムを持ち、超高齢社会という課題の最先端を走るこの国で、ChatGPT HealthのようなAIは、どのように受け入れられ、私たちの医療を、そして社会をどのように変容させていくのでしょうか。
法律の壁、文化の違い、そして医師と患者の関係性。
様々な変数の中で、AIが溶け込んだ20年後の日本の医療は、一体どのような姿になっているのか。
妄想逞しく、未来のシナリオを描いていきましょう。
しかし。これはもうSFの話ではありません。
私たちが、そして私たちの子供たちが間違いなく直面する、すぐそこの未来の話です。
ChatGPT Healthが日本で正式にサービスを開始するとして、まず直面するのが「法制度」という大きな壁です。
米国では、OpenAI自身がChatGPT Healthを「診断や治療を目的としない」と明確に位置づけています。あくまで、患者が自分の健康状態を理解し、受診準備を助けるツールという立ち位置ですね。
日本ではどうでしょうか。
日本にも、診断や治療を目的とするソフトウェアを「医療機器プログラム」として規制する薬機法のルールがあります。
ただ、ここは少し慎重に考える必要があります。
医療機器プログラムに該当するかどうかは、「医療機器としての目的性」。つまり、疾病の診断・治療・予防にどこまで寄与する使い方をされるかで判断されます。
ChatGPT Healthが現在の「診断・治療目的ではない」という位置づけの範囲に留まるなら、直ちに医療機器プログラムには該当しない、という整理もあり得ます。
でも、機能や表示、実際の運用次第で、この判断は変わりうるんです。
ここは、今後の動向を注視する必要がありますね。
しかし、日本には特有の、そして非常に重要なハードルがもう一つ存在します。
それは、厚生労働省が定める医療情報の取り扱いガイドラインです。
厚労省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版 に関するQ&A」(2025年5月版)には、生成AIへの医療情報入力について、こんな記載があります[6]。
「入力情報がAIの学習等のために保存されないことが契約等で担保されている」場合には、、、
ここがポイントなんですよ。
このQ&Aは、もともと「その条件を満たすなら、サーバが国内法の適用を受けている必要はないと考えてよいか」という問いに答える形で書かれています。
つまり、生成AIへの医療情報入力を包括的に保証する文書ではないんですが、少なくとも「保存されないことが契約等で担保される」という条件が示されているわけです。
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