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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 311
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、2025年のAI状況についてご紹介します。
最近、「AIバブルの崩壊」という言葉がマスコミを賑わし、AI関連株の株価が一気に下がるのではないかという不安が広がっています。
ただし、これを「AIテクノロジーの進化の停滞」とか「AIに対する幻滅」「AIが引き起こす社会問題」と結びつけて語るのは少し違うように思います。このAIバブルの崩壊とは、純粋に資金調達の問題だからです。
現在のAI産業は、ほぼ投資資金を収入源としていて、マネタイズが追いついていません。AIデータセンターなどへの投資額が大きすぎて、AIツールを有料化する程度では追いつかないのです。
得られている多くの収入は、AI企業同士で使用料を払いあって、内輪でお金がぐるぐる回っているような状態です。外から入ってくるお金がなくて、中でお金が回っているだけという構造になっているため、いつかこの車輪が止まってしまうことがあるのではないか。これがAIバブルの崩壊です。
その一方で、AIツールは、私たちになくてはならないものとなり、特に職場ではExcelと同等か、それ以上に使われるようになっています。AIテクノロジーの進化も止まっていません。
そこで、今回は、AIの2025年の現在地を整理します。また、来年、AI界隈にどのようなことが起きるか、10の予測についてもご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 311
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▼目次▼
2025年に起きたAIの7つの重要トピック。2026年に起きる10の予測
小米物語その229
バックナンバーPodcast
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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2025年に起きたAIの7つの重要トピック。
2026年に起きる10の予測
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今回は、2025年に起きたAI関連のトピックをまとめます。
まず、最初に、最近あちこちで言われる「AIバブルの崩壊」について整理しておきます。
アップルの最大の顧客は誰でしょうか。アマゾンでしょうか、メタでしょうか。
しかし、売上で見ると、アップルの最大の顧客はグーグルになります。もちろん、グーグルの多くのエンジニアがアップルデバイスを使っていると思いますが、グーグルから最大の利益を得ている商品は、Safariのデフォルト検索エンジンです。
MacやiPhone、iPadのブラウザーSafariの検索エンジンは、デフォルトではグーグルに設定されています。BingやYahoo!に変更することもできますが、これをわざわざ変える人は多くはないでしょう。
このグーグル検索をSafariのデフォルト検索エンジンにすることで、アップルはグーグルから莫大な収入を得ています。さらに、Safariからグーグル検索を行い、広告をクリックして得られた広告収入の36%をアップルが得る契約になっており、額は明らかにはされていないものの、毎年約200億ドル(約3.1兆円)の収入を得ていると推定されています。2025年度のアップルの総収入は、4161.61億ドル(約64.9兆円)ですから、総収入の4.8%にあたります。これがアップルは何もせずに入ってくるのです。
一方で、アップルは独自AIの開発が難航し、最終的にアップルの音声アシスタントSiriは、グーグルのGeminiを採用することが決まりました。この使用料は約10億ドルと報道されています。どのような契約になっているのかはわかりませんが、今後Siri経由でGeminiが使われる率が高くなっていけば、この価格は当然膨らんで行くことになるでしょう。
つまり、アップルはグーグルから200億ドルの収入を得ている一方、グーグルに対して10億ドルの支払いをしていることになります。
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