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「聖地学講座」
vol.323
2025年12月4日号
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◆今回の内容
○神秘主義の視点で世界を見る
・プラトンと神秘主義
・グノーシスと神秘主義
・新プラトン主義からロマン主義へ
・ユングから現代哲学まで
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神秘主義の視点で世界を見る
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今回のタイトルに「神秘主義」という言葉を掲げましたが、今の社会では「神秘主義」などというと、占いや心霊現象、陰謀論、怪しいスピリチュアル商法のようなイメージが、思い浮かんでしまうかもしれません。ところが、神秘主義の本来の意味に光を当てると、そうしたネガティヴなイメージは徒花のようなものであって、哲学や思想の底流には神秘主義の潮流があることがわかります。
「オカルト」という語もまた、同じようなネガティヴなイメージで捉えられがちですが、この言葉はラテン語の” occultus” が元になっていて、「隠されたもの」「まだ露わになっていないもの」を意味しています。
そうした目に見える現象の背後に潜んでいるまだ解明されていない構造や原理としての「オカルト」を見抜き、言葉にしようとする態度こそが、本来の意味の「神秘主義」です。それは、哲学の原義とも重なります。哲学とは、カオスに見える世界の中から、普遍的な秩序や原理を探り当て、それに沿った生き方を模索する試みと定義づけられるのですから。
あらためて「神秘主義」を「世界の背後にある原理・意味・秩序を解明しようとする、人間の根源的な知の意志」と捉えなおせば、哲学だけでなく、科学も、芸術を含む人間のほぼすべての知的営みを神秘主義の拡張として読み解くことも可能になります。
一見、神秘主義とはかけ離れている経済学も同じです。
マルクスは、資本主義社会の複雑な動きを、単なる「お金のやりとり」としてではなく、その背後で静かに動いている力学─生産関係・階級構造・搾取メカニズム─として描き出しました。ケインズは、個々人にとって合理的に見える行動が、社会全体としては危機をもたらすという「合成の誤謬」を指摘し、経済を単なる数式の世界ではなく、集団心理・期待・不安といった、目に見えにくい層から理解しようとしました。彼らが見つめていたのは、表に現れた数字や市場の喧騒ではなく、その背後で、社会全体の運動を方向づけている「見えない構造」でした。
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