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このメールマガジンは、世界情勢の裏側、エネルギー、水と食物、テクノロジーとメディアなどの未来の動向を読み解く、【高城未来研究所】が、毎週金曜日にお届けする高城剛主筆のレポートです。
マスメディアではなかなかお話しできない俯瞰的な視点と私見を、出来るだけ早くお伝えいたします。
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┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】
Vol.751/Part1
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/ 2025年11月7日発行 /
■目次
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… 1. 近況
… 2. 世界の俯瞰図
… 3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
… 4.「病」との対話
… 5. 大ビジュアルコミュニケーション時代を生き抜く方法
… 6. Q&Aコーナー
… 7. 連載のお知らせ
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■ 1. 近況
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主筆高城剛は、毎週のように世界を移動しておりますので、このメールマガジンが発行される国や都市は、都度に異なります。
まずは、いまどの都市にいて、なにを見て、どう思っているのか、をお知らせしたいと思います。
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今週は、バルセロナにいます。
地中海の風が少し冷たくなり始め、街全体が冬支度を始めるこの季節は、一年の中でも特に好きな時期です。日中は23度と心地よく、まだまだTシャツの人が多いのに、街はクリスマス・イルミネーションの準備に忙しなくなりはじめ、バルセロナという都市が本来持つ魅力的な顔を取り戻す季節でもあります。
そんな中、今週この街では、二つの大きなイベントが開催されました。ひとつは「ガストロノミー・フォーラム・バルセロナ」、もうひとつは「スマートシティ・エキスポ・ワールド・コングレス」です。
カタルーニャ地方、特にバルセロナは、いまや世界の食文化の中でも独自の位置を築いており、今回のフォーラムでは、「ニュー・カタルーニャ料理」という言葉があちこちで見られました。これは、伝統的な地元の食材や技法を尊重しながら、そこに新しい感性とテクノロジーを加えて再構築するという流れを指しています。分子ガストロノミーの旗手だったフェラン・アドリア以降、この地域では食の再編集が続き、それがいま成熟の段階を迎えていると感じています。
特に興味深かったのは、分子料理のパッケージ化です。今まで、もしくは今も分子料理は特別な器具を使った特別な調理法でした。しかし、近年の料理テクノロジーの著しい進化と著名シェフたちの協力により、パッケージ化された食材を使えば、飲食店に昨日入ったアルバイトでも簡単に分子料理が作れるようになりました。
また、分子料理に限らず、オーガニック食材だけで作られたパエリアが、いとも簡単に湯煎だけで実に美味しく作れるようになりました。
味は今も観光レストランで蔓延る冷凍パエリアとは一線を画していて、実においしい!こうして、多店舗経営していた飲食店のセントラルキッチン方式は過去のものとなり、パッケージ化された食材と小さなキッチンだけで驚くべき料理が、誰でも提供できるようになったのです。
つまり、料理のデセントライズドにより、「飲食店の自律分散」が起きはじめているのが現在です。
一方、スマートシティ・エキスポでは、全く異なる形で「都市の再編集」が行われていました。このイベントは、都市計画、テクノロジー、サステナビリティ、そして人間中心デザインといった多様なテーマを横断的に扱う、世界最大規模の都市イノベーション見本市です。バルセロナがこのイベントを長年開催地としてきたのは偶然ではありません。この街自体が、20年以上前から「スマートシティの実験場」として歩んできたからです。
1992年のオリンピック以降、バルセロナは港湾再開発、地下インフラの整備、そして「スーパーブロック」と呼ばれる新しい都市構造の実験を続けてきました。その流れが、AI・IoT・再生可能エネルギー・都市モビリティの融合へと進化し、いまの「スマートシティ」という新しい概念へとつながっています。
今回の展示では、日本からも多くの方々が参加され(主には自治体とゼネコン、通信大手関連)、デジタルツインによる都市シミュレーション、再エネを活用した自律分散電力システム、AIによる交通制御など紹介されていましたが、正直かなり官僚的および大企業主導型に見えました。つまり、市民と対話した様子がなく、単にセントライズドされたデータドリブンと管理する方向が見て取れます。もしくは、ゼネコンなどのオリンピック、万博後のあたらしい商材探し=再開発の言い訳といったところではないでしょうか。
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