メルマガ ジャーナリスティックなやさしい未来----2025年11月5日 第624号
重度の知的障がいがある人の「自立」について考える映画「道草」(宍戸大裕監督、2018年日本)は複数の登場人物が支援者との関わりを得ながら、一人暮らしをしようとする模様を記録したドキュメンタリーである。
私から見ると、重度知的障がい者の姿が瑞々しく、時には生々しく描かれ、同時に支援者のそれぞれの関わり方やコミュニケーションも眩しい作品だ。
時には自閉傾向の強い登場人物の行動に、彼らが表現できない苦しさを覚えながら、ストーリー上ではそれぞれの自立生活が展開される。
支援者の関わりもそれぞれ悩みを抱えながら、愛情とともに、ほほえましく、そしてもどかしいままやりとりが続く。
神奈川県相模原市での津久井やまゆり園での殺傷事件を生き延びた当事者とその家族の気づきにも触れながら、障がい者が自立することを深く考えさせられる。
キーワードは道草。
人生を歩むうえでの寄り道に、大きな喜びがあること、思考の道草が、生きるとは何かを教えてくれるような気がしている。
ここで描かれている重度知的障がい者の一人暮らしは、2014年に重度訪問介護制度の対象が拡大されたことで可能になったとされる。
しかし、前提には当事者が居住する自治体の理解と周辺の福祉サービスで受け入れることが前提だ。
この条件を満たせるのは、福祉サービスの支援者確保も含めた対応ができる首都圏や都市部に集中するものと思われる。
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