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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 299
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、純電気シンギュラリティについてご紹介します。
この言葉は、新エネルギー車メーカー「NIO」の共同創業者が使った言葉です。新エネルギー車(NEV)は、BEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド)が中心ですが、BEVの販売比率があがってきています。バッテリーの容量と充電速度が改善され、BEVに対する不安がなくなり、PHEVやその他のNEVを選ぶ人が減ってきているのです。
ある段階を超えると、全員がBEVを選ぶようになり、これが純電気シンギュラリティで、それがいつやってくるのが業界が注目するところになっています。
これまでNEV業界は、BEVではまだまだ不安があるために、PHEVやREEV(レンジエクステンダー)といったハイブリッドで補ってきたところがあります。この「燃料車、BEV、PHEV、REEV」をどのような割合で開発し、同販売していくかが、自動車メーカーの悩みどころになっていました。しかし、純電気シンギュラリティが近づくにつれ、PHEVやREEVに強みを持っていたメーカーは次第に苦しくなりつつあります。
一方、1強その他と呼ばれるBYDは、BEVとPHEVの両方で優れた製品を出し、どちらが強くなってもセールスが落ちないことを強みにしていました。しかし、バッテリー技術と高効率エンジンという2つの中核技術を育てることは簡単ではありません。
ところが、吉利汽車(Geely)が、バッテリーと高効率エンジンの技術を洗練させ、BYDの牙城を崩そうとしています。さらに、Geelyはシャシーをプラットフォーム化し、効率的に自動車を製造できる仕組みを確立しました。この点ではBYDを超えています。
これにより、トップ争いはBYDとGeelyに絞られ、第2グループではBEVに強みがあるメーカーが頭角を表し、順位が激しく入れ替わっています。今回は、純電気シンギュラリティをめぐって、各メーカーの動向についてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 299
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▼目次▼
純電気シンギュラリティをめぐる最終決戦。順位のシャッフルが始まったNEVメーカー
小米物語その217
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Q&Aコーナー
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純電気シンギュラリティをめぐる最終決戦。
順位のシャッフルが始まったNEVメーカー
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今回は、純電気シンギュラリティについてご紹介します。
欧州と中国で、新エネルギー車(NEV=New Energy Vehicle)について、重要な2つの発言がありました。
ひとつは、メルセデス・ベンツのオラ・ケルレニウスCEOが、ドイツの経済誌「Handelsblatt」のインタビューに応えたものです(
https://www.handelsblatt.com/unternehmen/industrie/ola-kaellenius-mercedes-benz-steht-seit-jeher-fuer-das-besondere/100146297.html)。
インタビューの内容は、メルセデス・ベンツのブランドの特別性について語ったものですが、この中で、EUの2035年の燃料車規制について触れた部分が大きな話題になっています。
EUの2035年規制は、ゼロエミッション車=CO2排出量ゼロの車以外販売を禁止するという厳しいもので、ガソリン車、ディーゼル車はもちろん、HEV(Hybrid Electric Vehicle)も、さらにはPHEV(Plug in Hybride Electric Vehicle)も販売禁止になります。BEV(Battery Electric Vehicle)や燃料電池車、またCO2を排出しない合成燃料エンジン車しか販売できなくなります。
ケルレニウスCEOは「このままでは大きな壁に衝突することになり、環境を悪化させるばかりか、自動車産業の経済を崩壊に導く」と厳しく批判をしました。
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