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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 298
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、小米の「人車家全生態」についてご紹介します。
2010年代のことなので、大昔の話ですが、ある家電メーカーを訪れたところ、日本の低価格家電は中韓に勝てない、だから日本は付加価値をつけた高機能家電でいく、高価格で利益が取れる領域に集中をするという話をされました。
それは考え方のひとつとして正しいことだと思います。しかし、問題は「では、その付加価値とは具体的にどういうもの?」という素朴な問いには、誰も明確な答えを持っていないことでした。だいたい、シャネルやアップル、レクサスの名前を挙げて、高級ブランド化していくみたいな話なのです。冷蔵庫とか炊飯器の話なのにです。
そこで見せられた冷蔵庫は、冷蔵庫に入っている食材と賞味期限をいつでも携帯電話にメールしてくれるというものでした(当時はまだスマートフォンがない時代です)。これはすごいと思いました。
ところが、技術が成熟していないので仕方がないところもありますが、食材データは人が入力しなければならないのです。食材を入れるたびに、冷蔵庫のパネルに文字入力していかなければなりません。また、食材を使う時は、冷蔵庫のパネルで食材リストから削除していかなければなりません。
「これは…。せめてバーコードを読めるようにできませんか」と質問すると、バーコードがついていない生鮮食品も多いのだみたいなことを言います。「じゃあ、いっそのこと、内部にカメラを設置して、扉を閉めるたびに写真撮ったらどうでしょう?。食材があるかどうかは確認できるのでは」と言うと、ため息をついて、「あなた、CCDカメラの動作温度条件をご存知ですか?」と言います。
私は、そういう課題をなんとか工夫するのがエンジニアではないかと思いましたが、それ以上の質問をやめました。これは、日本の家電産業はそうとう深刻な状況に陥るのではないかと思いました。
よく、「xxはもはや進化が止まってコモディティ化した」と言いますが、これは多くの場合、誤った考え方です。ガソリン車の技術は早くに確立して進化の余地はないように見えましたが、今、新エネルギー車が登場し、自動運転の普及が始まり、スマホとの連携が容易なタイヤのついたデバイスになろうとしています。スマホの進化は止まったと言われましたが、今、各社がAIの搭載を始め、もう一段先への進化が始まっています。
コモディティ化というのは、従来の古い枠組みの中で見た場合に成長空間がなくなったというだけの話で、枠組みそのものを変える発想をすれば、どんな製品もまだまだ進化します。企業に求められているのは、この新しい枠組みを考案することなのです。
小米の人車家全生態は、スマホ、自動車、家電の新しい枠組みのひとつです。もちろん、うまくいくかどうかはわかりません。しかし、それに挑戦をするのが企業の仕事です。
今回は、小米の家電が、従来の枠組みをどのように変えようとしているのかをご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 298
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▼目次▼
白物家電はコモディティ化して進化の余地はないのか。小米が見つけた人車家全生態とは
小米物語その216
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Q&Aコーナー
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白物家電はコモディティ化して進化の余地はないのか。
小米が見つけた人車家全生態とは
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今回は、小米の「人車家全生態」についてご紹介します。
「アップルは何を売っている会社でしょう?」と質問されたら、ほぼ全員が「iPhoneを売っている会社」と答えると思います。アップルはこの他にMacBookやiPadなども売っていますが、iPhoneが最も有名で広く普及しているデバイスだからです。少なくとも「ハードウェアを開発して販売している会社」であることは間違いないと誰もが思います。
しかし、「何を売って儲けているでしょうか」=利益の源泉はどこからきているのかと問われた場合は、違う答えをすべきかもしれません。アップルの中核事業はもはやiPhoneではなくなっているのです。
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