日銀金利政策の不透明性を排除する道
前回の本レポートでは、先の日銀決定会合で日銀は物価見通しを大幅上方修正する中でもあえて金利を据え置いた不自然さを指摘しました。その前の6月開催の決定会合議事要旨を見てこの感が一層強まりました。
これによれば6月時点ですでに複数の委員から物価の上振れから、通商問題が穏当な形で推移するとのめどが立てば、現在の様子見モードから脱却して、利上げプロセスの再開を考えることになる、との発言がありました。また一人の委員はインフレが想定を上回る状況では、たとえ不確実性が高くても、金融緩和の度合いの調節を果断に進めるべき、と述べていました。
それでもこうした声を押し切り、最後は総裁か内田副総裁と思しき人物から「わが国経済の先行きには不確実性が非常に高く、下方リスクの厚い状態が続く中、企業業績や通商交渉の方向性が見えてくるのはまだ先だ、として現状維持を強く主張し、決定しました。そして先の7月末の会合では、物価の上振れがさらにはっきりし、通商交渉が合意に達し、不透明感は後退したのですが、緩和の修正を拒否しました。
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