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参政党躍進の影で 精神科医療現場に広がる懸念

メンタルヘルス・精神医学から時流を読む
 2025年7月20日の参議院選挙において、参政党は14議席を獲得する大幅な躍進を見せた。参政党躍進の背景には、長引く物価高騰など生活コストの増大が、国民の既存政治への不信を高めた。加えて、オーバーツーリズムによる地域住民の生活環境悪化と外国人への嫌悪感は、「日本人ファースト」というわかりやすいスローガンを掲げる参政党への支持拡大を後押ししたと考えられる。自民党が左傾化し、右派が支持層に流入したのも勝因の一つだろう。  しかし、精神科医療に携わる専門家として深刻な懸念を抱かざるを得ないのが、参政党の医療政策である。反ワクチン、根拠の乏しい医療への傾倒ももちろんだが、精神科領域への姿勢も深刻な誤謬を抱えている。同党は過去に発行した有権者向け冊子「参政党Q&Aブック基礎編」において「そもそも発達障害など存在しません」と明記し、科学的根拠に基づく診断体系を全面的に否定する立場を示した。

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  • 精神科医の西多昌規(にしだ まさき)です。メディアなどで話題となっている、あるいは世間の関心を集めている事件や出来事を、精神医学やメンタルヘルスから読み解き、独自の視点をもとに考察していきます。医療・健康問題だけでなく、政治経済や社会文化、芸能スポーツなども、取り上げていきます。*個人的な診察希望や医療相談は、受け付けておりません。
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