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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 287
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、自動車業界の整頓についてご紹介します。
中国の自動車業界でさまざまな問題が露わになりました。ひとつは「0km中古車」です。いわゆる新古車で、新車なのに中古市場に流れてしまうというものです。ディーラーが販売実績をあげるため、メーカーが販売台数を水増しするためだと指摘されています。
もうひとつは、サプライヤーの支払い期間の長期化です。部品を納品しても、実際の支払いは280日後、そんな例が起きています。自動車メーカーは、これで余裕が生まれた現金を使って値下げ構成をかけているのだと指摘されています。
0km中古車も、支払い期間の長期化=約束手形決済は、日本でもよく用いられた手法です。もちろん、古い商慣習であって、現在はあまり使われなくなっていますし、容易に不正が起こりやすい手法でもあります。
しかし、約束手形には、メリットも多いのです。そのため、現在、日本の約束手形は「でんさいネット」として電子化をされ、伝統的な業界や中小企業を中心に盛んに使われています。
とは言え、うっかりすると不正行為に足を踏み込むことになるため、使わないに越したことはありません。中国政府の商務部やこのような問題が露わになると、すぐに対応をし、自動車業界は「0km中古車は基本的に生まない」「サプライヤーへの支払いは60日以内にする」宣言をしました。
いわゆる、業界の整頓です。しかし、なぜ、政府が自動車業界を整頓しようとしたのか、ここが大きなポイントになります。
今回は、「0km中古車」「支払い期間の長期化」がなぜ起きたのかをご紹介し、さらに中国政府がなぜ自動車業界を整頓するのか、その理由についてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 287
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▼目次▼
0km中古車と支払い期間の長期化。政府が乗り出した自動車業界の整頓
小米物語その205
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0km中古車と支払い期間の長期化。
政府が乗り出した自動車業界の整頓
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今回は、自動車業界の整頓についてご紹介します。
自動車業界が2つの問題で揺れています。ひとつは「0km中古車」で、もうひとつは「支払い期間の長期化」問題です。
後ほど詳しくご説明しますが、0km中古車は日本の新古車と同じものです。トリップメーターは0kmあるいはほとんど走っていないのに、新車ではなく、中古車として販売されている車のことです。
支払い期間の長期化の問題は、自動車メーカーがサプライヤーから納品を受けて、その代金の支払いが最長で280日後にもなるというもので、一種の下請けいじめのような現象です。いずれも、自動車業界に根強く残る悪習です。
早速、海外メディアはこのような問題を取り上げ、中国の自動車メーカーが何か後ろ暗いことをしているかのような報道を始めました。面白いことに、なぜか、BYDがこういうことをしているという報道が中心になっています。BYDももちろんこのような古い商慣習に従った行為をしていましたが、それをしているのはBYDだけではなく、ほぼすべての自動車メーカーです。つまり、BYDの問題ではなく、中国の自動車業界の問題なのです。
特に支払い期間の問題は、サプライヤーへの支払いを遅らせることで、BYDは値下げができるのだという主張をするメディアも多く、さらには約束手形のような仕組みである「欠条」を使って、BYDはさらに支払い期間を延ばしている、帳簿にも記載されない負債があり、いつ倒産してもおかしくないと印象づける記事すらありました。
BYDのような上場企業が、帳簿や有価証券報告書に載せない負債があったとしたら、それは株主や投資家に対する悪質な背信行為ですから、すぐに上場廃止になると思うのですが、その件についてはなぜか触れられていません。
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