米中交渉を阻む双方の弱み

米中交渉を阻む双方の弱み 　米中間の貿易交渉においては、ひところの3桁関税に象徴される緊張が緩和され、先週には大枠での合意が得られたとの報道並びに米国が中国のレアアースを入手できる、とのトランプ発言で、交渉進展と受け止め、株式市場もこれを好感しました。しかしこの交渉ではどちらが勝者か、評価が分かれています。 　米中両国には今回の交渉でも明確な勝利を得られない「アキレス腱」、つまり弱みがあります。このため、踏み込んだ攻勢に出られず、表向きを繕った「限定的成果」に甘んじることを余儀なくされています。どちらも「勝者」になれない事情があります。 「表向きはレアアースと先端半導体の攻防」