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ウクライナ戦争は終結に向かっているのか?/コメ不足・価格高騰の問題について 辻野晃一郎のアタマの中【Vol.109】

グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』  ~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.109】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【今週号の目次】 1. 気になったニュースから  ◆ ウクライナ戦争は終結に向かっているのか? 2. 今週のメインコラム  ◆ コメ不足・価格高騰の問題について 3. 読者の質問に答えます! 4. スタッフ“イギー”のつぶやき ───────────── 2. 今週のメインコラム ───────────── ◆ コメ不足・価格高騰の問題について 江藤拓前農水大臣の舌禍炎上騒動には、まさに開いた口が塞がりませんでした。この人物の言動で最初に驚かされたのは、今年2月の衆院予算委員会での出来事です。 野党議員から「備蓄米を放出すればコメの価格は安定するのか?」と問われた際の答弁の中で、「 食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律) には価格の安定なんて書いてありません」と 何度も強弁していた のです。後ろに控える官僚も「書いてありますよ」と困惑顔で指摘していましたが、傲慢な姿勢に嫌悪感を覚えました。 また、こうした初歩的な認識違いをしていることから、新米の農水大臣なのかと思いましたが、実は初当選以来20年近く農水族議員として活動し、安倍政権時代にも農水大臣を務めていたことを知り、単なる勉強不足では済まされないと感じました。 それにしても、「令和の米騒動」などとも言われて、もう一昨年から市場でのコメ不足が指摘され続け、昨年以降は価格の高騰が続いています(図1)。備蓄米の放出も行われていながら、この問題がなかなか落ち着かないのは一体如何なる理由によるものなのでしょうか。最近では、質の悪いブレンド米を高値で販売する悪徳業者も出てきているようです。 素人考えかもしれませんが、そもそも備蓄米は非常時に備えて確保しているものであり、この長引くコメ不足や価格高騰の状況を「国家の非常事態」と捉えるならば、10万トン単位で逐次放出するのではなく、備蓄全量の91万トンを一気に放出すれば、コメ不足は一瞬で解消し、価格もすぐに落ち着いたのではないかと思ってしまいます。 そして、その後市場が落ち着いた段階で、新米をあらためて備蓄していけば、古米や古古米を新米に入れ替える形で、備蓄在庫の更新にもなるのではないかなどと思いますが、それほど単純な話ではないのでしょうか。 また、備蓄米の割り当てを入札で決めるなどのプロセスにも疑問を感じていました。そのような手続きでは、市場価格の低下にはつながらず、業者による売り控えなども招くのではないかという懸念も抱きました。この点については、新たに農水大臣に起用された小泉進次郎氏が、石破首相からの指示を受けて入札を止め、随意契約に切り替える方針を検討すると表明しています。 さらには、JA(農業協同組合)は農水省の有力な天下り先とされており、--

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  • フェイクやノイズが渦巻くこの時代。何を信じ、どう行動するかが、人生を大きく左右します。 ソニーで数々のヒット商品を手がけ、Google日本法人社長として同社を日本に根付かせる。そして50代で起業。 現場から経営、国内外のテック最前線までを熟知する筆者が、政治・経済・テクノロジー・人生哲学を縦横無尽に語り、「ぶれない思考軸」と「変化を楽しむ視点」を、毎週あなたに届けます。
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