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『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』
~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.108】
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【今週号の目次】
1. 気になったニュースから
◆ 川崎市のストーカー事件で思うこと
2. 今週のメインコラム
◆ 世界のダイナミックな動きから取り残される日本
3. 読者の質問に答えます!
4. スタッフ“イギー”のつぶやき
【重要なお知らせ その1】
最近、Gmailをお使いの方から、文字化けや誤字が多い、というご指摘をいただくことがあるのですが、執筆側や配信側の問題ではなく、Gmailの翻訳機能が悪さをしているようです。まぐまぐ社から以下の警告と対策の案内が出ていますので、Gmailをお使いの方はご参照ください。
https://help.mag2.com/20250326.html
【重要なお知らせ その2】
同じく、このメルマガを配信しているまぐまぐ社より、クレジットカード決済方法の変更に関する注意喚起がありました。変更に伴い、読者の皆さまが登録しているクレジットカード情報が、最新のカード番号・有効期限であるか確認・更新が必要になる場合があるそうです。特に、有効期限が切れたカードが登録されていると、2025年5月末で有料メルマガが自動解除される可能性があるとのことです。
このメルマガには長くご購読いただいている方が多く、カードの有効期限が当初のままのケースも少なくありません。大変お手数をおかけしますが、以下のまぐまぐ社のヘルプページをご参照のうえ、カード情報のご確認をお願いいたします。
https://help.mag2.com/20250402.html
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1. 気になったニュースから
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◆ 川崎市のストーカー事件で思うこと
1999年10月に発生した桶川ストーカー事件では、女子大学生が殺害されるという痛ましい結果となり、これを契機に2000年、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」が制定されました。
しかし、その後もストーカーによる事件は後を絶たず、対策の不十分さがたびたび指摘されています。先日も、川崎市で発生したストーカー殺人事件において、警察の対応が問題視されました。被害者やその遺族は、事件前に何度も警察に相談していたものの、十分な対応がなされなかったとされています。
ここ最近、社会の劣化が止まらないという実感を強くしています。特に深刻なのは、国家権力の腐敗や怠慢です。政治の世界は言うまでもなく、検察や警察においても、信頼を揺るがすような事例が後を絶ちません。「鯛は頭から腐る」ということわざが示すように、モラルハザードが社会全体へと広がっていくのではないかという懸念を、私は第二次安倍政権の頃から表明してきましたが、残念ながらその懸念が現実のものとなってきた感を強めています。
検察の堕落を象徴する事例としては、例えば、最近再び注目を集めている森友問題に関連する公文書の改ざんや廃棄に関して、関与した財務省関係者を全員不起訴とした大阪地検の判断が挙げられます。
この判断を下したのは、当時大阪地検トップの検事正だった北川健太郎氏とされていますが、同氏はその後、部下である女性検事に対する性犯罪が発覚して逮捕・起訴されました。検察官が性犯罪で検挙されるとはまさに前代未聞の事態ですが、こうした人物が森友事件の判断に関与していたことには、看過できない問題があると言えるでしょう。
関連記事: 森友文書、「政治家関与部分『欠落』」は財務省の大罪、佐川氏国会再喚問が不可欠
また、60年近くにわたり冤罪に苦しんだ袴田巌氏の無罪が確定した際、畝本直美検事総長がその判決に対して批判的な談話を出し、大きな反発を招きました。本来であれば、検察の最高責任者として、まず袴田氏のもとに出向いて直接謝罪の意を伝え、冤罪の温床となってきた「人質司法」など、検察の構造的な問題を見直す改革の姿勢を示すべきでした。にもかかわらず、反省の色を見せることなく、検察の正当性を主張するかのような尊大な態度には強い憤りを禁じ得ませんでした。
そして、警察組織の腐敗が可視化された顕著な事例として多くの注目を集めたのが、2015年に発生した伊藤詩織氏に対する元TBS社員 山口敬之氏による性暴力事件です。山口氏は、安倍晋三元首相と親密で、安倍氏を称賛する「よいしょ本」の出版を控えていました。捜査当局による山口氏の逮捕状が発行されていましたが、直前で逮捕が取り消されたのです。
報道によると、山口氏は当時の内閣情報官 北村滋氏に泣きつき、その後、警視庁刑事部長であった中村格氏によって逮捕が取り消されたとされています。その中村氏は、その後警察庁長官にまで昇進しました。人事は「信賞必罰」が要諦ですが、この人事は、世間的な常識から言えば信賞必罰とは真逆の人事と言えるでしょう。こういうことをやり始めると、組織も社会も徐々に壊れていきます。
さらに、中村氏の後任として警察庁長官に就任した露木康浩氏についても--
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