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『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』
~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.107】
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【今週号の目次】
1. 気になったニュースから
◆ イーロン・マスク氏のその後
2. 今週のメインコラム
◆ ゴールデンウィークについて思うこと
3. 読者の質問に答えます!
4. スタッフ“イギー”のつぶやき
【重要なお知らせ】
最近、Gmailをお使いの方から、文字化けや誤字が多い、というご指摘をいただくことがあるのですが、執筆側や配信側の問題ではなく、Gmailの翻訳機能が悪さをしているようで、まぐまぐ社から以下の警告と対策の案内が出ています。なお、この問題が発生するのは、ここに記載がある2025/03/26配信のものに限りません。ご注意ください。
https://help.mag2.com/20250326.html
【その他のお知らせ】
本日から、日刊ゲンダイで「『デジタル後進国』のグランドデザイン」という私の連載が始まることになりましたのでお知らせします。
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1. 気になったニュースから
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◆ イーロン・マスク氏のその後
■ トランプ政権から実質的に離脱したイーロン・マスク氏
トランプ2.0政権において、政府効率化省(Department of Government Efficiency、DOGE)のトップとして、連邦政府のリストラに大ナタを振るったイーロン・マスク氏ですが、発足から100日を迎えた段階で「潮時」と判断したのか、政権の手伝いはトーンダウンし、本業であるテスラ社やスペースX社の経営に軸足を戻しています。
関連動画: Elon Musk receives applause from Cabinet as he begins planned departure from DOGE role
DOGEはもともと、米国の建国250周年にあたる来年7月4日(独立記念日)までに任務を完了し解散するという期間限定のイレギュラーな組織として発足しました。しかし、マスク氏の過激で急進的な手法に対し、リストラされた連邦政府職員はもちろん、一般国民や国際社会からも反発が強まり、テスラ社の施設への破壊行為や放火などが相次いでいます。トランプ大統領としては、反マスク運動が反トランプ運動に波及するリスクを懸念し、早目に手を打ったというところでしょう。
個人的には、マスク氏にはもうしばらくDOGEを続けてもらって、リストラを進めると共に連邦政府の不透明な資金の流れを徹底解明するところまで踏み込んで欲しかったので、中途半端な形で終わってしまうのは大変残念に思います。
彼のやり方や考え方に対する賛否は分かれるところでしょうが、トランプ氏に成り代わってこのような切り込み隊長としての大胆な役割を担えるのは、後にも先にもマスク氏をおいて他には考えられません。自分の事業や資産を犠牲にしてでもこの役割を引き受けたマスク氏には、米国を再構築する上での強い使命感があったことは疑いのないところです。
■ マスク氏に関する最新動向
そのマスク氏に関する最新の話題の一つは、メキシコとの国境に近く、メキシコ湾(アメリカ湾)に面したテキサス州キャメロン郡にあるスペースX社のロケット発射基地「スターベース(Starbase)」が、このたび新たな自治体となることが決まったことです(図1参照)。以下はそれを喜ぶマスク氏のXへのポストです。
関連リンク:
https://x.com/elonmusk/status/1918834940264784009
マスク氏は、4年以上前から、もともと「ボカ・チカ・ビーチ & ビレッジ(Boca Chica beach and village)」と呼ばれていたスペースX本社やロケットの打ち上げ施設がある一帯約1.6平方キロメートルのエリアを新たな「市」として編入するための取り組みを行ってきました。
そして5月3日に行われた住民投票では、賛成212票、反対6票という圧倒的多数で新たな市の設立が承認されました。この区域には約500人の住民がいますが、その大半がスペースXの従業員とその家族たちなので当然の帰結ともいえます。キャメロン郡当局も、スペースXとスターベースがこの地域の経済発展の原動力になっていることを高く評価しています。
■ 企業城下町として地域振興の成功モデルとなるか?
住民たちは、新市の市長および2名のコミッショナーとして、いずれもスペースXの社員である3名を選出しました。市長には --
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