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双極性障害と甲状腺機能亢進症の合併はありうるのか

メンタルヘルス・精神医学から時流を読む
 病院での暴行事件で逮捕されていた広末涼子氏が釈放された。5月2日にメディアで「双極性感情障害」と「甲状腺機能亢進症」と診断され、治療に専念することが報道された。  早稲田大学在学時からみられた過去の奇行から、専門家でなくても双極性障害の疑いはかねてからもたれていたので、違和感は持っていない。覚せい剤など薬物使用は警察の捜査で否定的となったものの、一時期は薬物使用による精神異常が疑われていただけに、今回の公表となったのかもしれない。  まずわたしの所感として、「双極性感情障害」は古い用語である。WHOによる国際疾病分類は2025年現在では11版(ICD-11)であり、現在の日本での用語は「双極症」ないし「双極性障害」である。「双極性感情障害」は2版前のICD-9であり、かなり古いといっていい。したがってこれ以降は「双極性障害」と言い直して文を進める。

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  • 精神科医の西多昌規(にしだ まさき)です。メディアなどで話題となっている、あるいは世間の関心を集めている事件や出来事を、精神医学やメンタルヘルスから読み解き、独自の視点をもとに考察していきます。医療・健康問題だけでなく、政治経済や社会文化、芸能スポーツなども、取り上げていきます。*個人的な診察希望や医療相談は、受け付けておりません。
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