■絞り込み思考とは
絞り込み思考とは、無限にある情報の中から、制約というフィルタ
ーを通して絞り込んでいき、テーマや問題の答えを最短で効果的に
導き出す思考法だ。
実践すれば、従来より短時間で答えを出すことができ、問題の全体
像がクリアになり、判断ミスがなくなり、コンセプトがブレないま
まゴールにたどりつけるようになる。
この方法を学べば、製品開発や企画の立案、アイディア発想、複数
の選択肢から最適解を選択する時など、公私を問わず様々なシーン
で必ず役に立つはずだ。
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絞り込み思考の鍵を握るのが、制約と絞り込みだ。人は意識的か無
意識的かは別として、様々な制約をもとに、日常的に絞り込みを行
っている。
たとえば、自宅、食事、通勤、仕事、遊びなどの選択は、すべて制
約と絞り込みから導き出されている。自宅は職場からの距離、家族
構成、面積、形式、価格などの制約から絞り込んで選んだ結果だ。
仕事を選ぶ際も、自分の能力、適性、やる気などの制約から絞り込
んで選んだはずだ。選択とは、制約と絞り込みから導き出くことな
のだ。
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たとえば、売れる製品の開発を考えるとする。通常は、様々なアイ
ディアを出した上で、それがユーザ思考に合っているか、価格や機
能がクリアできているかを確認する流れとなる。
それができていなければ、再度はじめからやり直すことになる。同
じ作業を繰り返すのだから時間の無駄だ。これを避けるには、アイ
ディアを出す前に制約を明確にしておくことだ。
最初から制約を厳密に決めすぎると、斬新なアイディアを出すこと
が難しくなると思われがちだ。それなら、制約の中に斬新な製品企
画につながる情報を入れておけばいいのだ。
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製品開発をする際など、多くの人が売れ行きに直結する表面的な事
項に目を向けがちだ。たとえば「デザイン思考をすれば斬新な製品
が生まれる」「ユーザ体験を感じさせる製品を作ろう」などだ。
このような手法は、確かに魅力的だが、表面的なミクロ的アプロー
チだ。より良い製品を開発するには、時代の流れや社会の視点など
製品の本質を考えマクロ的アプローチが必要だ。
そのためには、マクロな視点から目的やコンセプトを徹底的に考え
ることが大切だ。これを可能にするのが、目的やコンセプトを制約
として情報を絞り込んでいく絞り込み思考なのだ。
絞り込み思考を用いて情報を絞り込んでいけば、どんなに悩んで
も、最後までぶれることなく、最短で答えを導き出すことが可能
だ。しかも幅広い分野で応用できる。
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世の中の思考法は、様々な人の意見を聞きながら結論を見出す協創
が前提だ。しかし、これらが有効なのは、たとえば街に新たな道路
を作るなど、利害関係者の合意を得る時だけだ。
協創では、斬新なアイデアが生まれにくい。だから、製品開発など
には適さない。テーマに関する高感度人間を集めても最終判断する
のは主催者だ。主催者が目利きでなければ最適な判断はできない。
だからこそ、目的に合った答えを最短で導き出せる絞り込み思考こ
そが有効なのだ。しかも普段の思考がベースになっているため、決
して難しくない。誰もができる思考法だ。
新しい時代は、オリジナルが求められる時代だ。それは会社だけで
なく個人の生き方も同じだ。絞り込み思考を使えば、様々なテーマ
や問題について最適解を導き出すことができるようになるはずだ。
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