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【痛くない死に方 2025年第9号】みのもんたさん、逝去。パーキンソン病の終末期とは?

長尾和宏の「痛くない死に方」
  • 2025/03/08
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2025年 第9号  【長尾和宏の痛くない死に方】 長尾和宏です。3月に入ってから寒い日が続いています。気温の寒暖差に体調を崩している人も多いでしょう。 今月に入ってからというもの、電車で移動していると、昼夜かかわらず、ホーム、あるいは車内で突然嘔吐をしている人を見かけるようになりました。急に噴水のように嘔吐している若者も見かけました。人込みのなかで誰かが嘔吐すると、突然、池に石を投げられた波紋ようにしてさーっと人が周囲に逃げていく。僕はそのたびに、嘔吐した人の恥ずかしさを想って同情します。 酒を呑んで、意識不明で酔っ払ってげーげー吐いてるような輩は言語道断ですが、突然体調が悪くなり嘔吐することは、本人が悪いわけではありません。それなのにばい菌扱いのように、非難の目で睨まれたら、ほんとうに辛かろうと思います。人間なら誰しも、突然の吐き気に苛まれた経験はあるはずなのに。しかし、これほど連日、電車内で嘔吐する人を見かけることは初めてかもしれません。 その理由は・・・そう、今流行中の「ノロウイルス」だと思われます。 ノロウイルスとは、感染性大腸炎のこと。老若男女、年齢・性別に関係なく感染し、嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの症状を引き起こします。 ノロウイルスの歴史はまだ浅く、1968年、アメリカ、オハイオ州の小学校で嘔吐・下痢の症状を示す感染性胃腸炎が流行したことから発見されたといいます。これがノロウイルスの最初の集団感染として記録です。 オハイオ州のノーウォークという土地で発見されたことから、ノーウォークウイルスと呼ばれていましたが、2002年に国際ウイルス分類委員会が正式に「Norovirus(ノロウイルス)」と命名しました。 しかし、近年の研究によればノロウイルスの起源は数百年~数千年前にさかのぼると推測されています。 ノロウイルスは、感染力がとても強いのが特徴です。インフルが感染に約1万個のウイルスが必要なのに対して、わずか10~100個のウイルスで感染が成立します。感染すると、急な嘔吐、胃がキリキリとするような痛み、さらには水のような下痢症状が数日続くなどのわかりやすい症状があります。 予防には手洗いが有効ですが、しかしそれでも限度があります。 あと、この季節は生ものを食べないこと。特に生ガキは危険です。 なぜカキににノロウイルスのリスクがあるか、知っていますか? カキという貝は、海の浄化装置ともいわれており、1個あたり1時間に数リットルもの海水を吸い込んで、プランクトンや有機物を濾過して栄養を摂取しているのです。だから美味しいんだけどね…。このときに、ヒトの排泄物から下水を通って海に流出しているノロウイルスも一緒にカキの体内に蓄積してしまうからんです。カキは自力ではノロウイルスを輩出できません。 いわゆる「生ガキ」として生食用に販売されているものはもちろん、特定の清浄海域で育てられ、出荷前に浄化処理が行われ、細菌の数を減少させる作業を行っています。しかし、ノロウイルスはこの浄化処理を潜り抜けてしまうらしいのです。どんなに浄化されても、ノロウイルスはカキの体内に蓄積されたまま、また食卓に上がるという……つまり、人間が排出したノロウイルスが海に行き、めぐりめぐってまた、人間が食べているというわけです。なんとも皮肉な循環です。 僕はオイスターバーで生ガキと白ワインをやるのが大好きだけど、流行中はグッと我慢……かな。 ノロウイルスに治療薬やワクチンはありません。製薬会社は躍起になってワクチンを開発しているかもしれませんが、RNAウイルスであるため、変異しやすく、免疫が長続きしにくいといわれています。だから、たとえ開発されたとしても、まったく意味がないでしょうね。しかも健康な人であれば、3~4日寝ていればケロっとするわけですから、ダイエットができるぞ! ラッキー! と思って絶食をすることが一番です。絶食は胃腸炎にとって最大の薬です。 しかし、こまめに水分は取ってくださいね。乳幼児や高齢者がノロで死亡する場合は、脱水症状を起こしていることがほとんどです。 ただし昨今、イベルメクチンがノロウイルスに効果的という報告がいくつか僕にも届いています。家族が感染したが、イベルを服用していた自分だけ下痢症状が軽かった等々……これからのエビデンスに期待したいところです。 さて、この数日の天候によってようやく大船渡の山火事の火の勢いが弱まり、一部避難解除されたというニュースを見て少しだけ安堵しました。それでもまだ多くの人が避難所で不安の日々を過ごしていることでしょう。 もうすぐ、14年目の3・11……どうか被災された皆さんが、少しでも心穏やかにこの日を迎えられることを切に祈らずにはいられません。 僕は2011年の5月、大型連休を利用して3・11の被災地にボランティアに出かけた際、その終わりに福島県、臨済宗の僧侶の作家の玄侑氏にお会いしました。 そのときの僕は、こんなふうにブログに記しています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 昨日は、復興会議の委員でもある玄侑宗久さんを訪ねました。玄侑さんは、禅宗の僧侶でかつ大好きな小説家でもあります。大変お忙しい中、1時間半もお話を伺わせて頂きました。 まず、この数日間、被災地を巡った感想をお伝えしました。そして玄侑さんのお話を聞くうちに、涙が溢れてきました。優しいお顔で話される玄侑さんの目も、潤んでいました。 玄侑さんは、「非常」という言葉を使われました。 あの鴨長明は、年をとる度に家を小さくしたそうです。家というものは「仮のもの」であると悟ったからです。 低い地に住み続けても、構わない。家は仮の姿だと思っておけばいい。 そうすれば有事も、想定内で済む。 避難所でアンケートを取ったら、仮設住宅を希望しないひとがなんと4分の1もいた、というお話を聞きました。東北人は、個人よりも地域や仲間のほうを大切にするのです。 最後に、犠牲者を鎮魂するお経を唱えて頂きました。凄い迫力で、頭の中を6日間に見たものが巡りました。これまで以上に、玄侑さんのファンになりました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ このときのことは「無常素描」という記録映画にもしています。 「無常」というのは、このときの僕との会話のなかで、出てきた言葉です。 東日本大震災の行方不明者はいまだに2000人以上もいます。 死んだことは認められていない。認めたくない。しかし認められていないからといって、弔いができにままでいいものか?

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