第353号(2025年2月14日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
をお読みいただきありがとうございます。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、
引き続き
【ビジネスにも活かせる外交交渉からの教訓】
についてお話しいたします。
今週号ではBack-Channel Negotiationの利点と弱点(Pros & Cons)についてお話しします。
その内容は本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、
今週もいろいろなことが起きました。
ただ今週の国際情勢も、よくも悪くもトランプ劇場となったように思います。
一つ目は【ついに待ちわびた日米首脳会談の実現と“インド太平洋体制”のスタート】についてです。
事前の低評価を一気に覆したトランプ大統領と政権の石破総理評。
現トランプ政権の面々によると、トランプ大統領は石破総理を高く評価しているとのことでした。
日本製鉄とUSスチールの案件についても“合意”が成立したように言われていますが、
個人的にはトランプ大統領と石破総理(日本)の解釈にずれがないかどうか、少し懸念しています。
(現時点までは高評価です。)
日米ともに中国の台頭と台湾有事への懸念と対応への協力を確認し、
北朝鮮の暴発・暴走に対して協力して対応することが確認されたことも高く評価されています。
今後、どのような矢が飛んでくるかわかりませんが、ひとまず、石破総理の初訪米は成功だったと感じています。
二つ目は【“イスラエルの王”?!――トランプ大統領が仕掛ける危険な賭け】についてです。
2月4日に突如、トランプ大統領がぶち上げた
“米国によるガザ地区の保有と再開発”および“ガザ市民の恒久的な移住”というアイデアは、
当事者であるイスラエルのネタニエフ首相も含め、世界を驚かせました。
欧州の同盟国も含み、国際社会から一斉に非難が寄せられていますが、トランプ大統領は意に介していない素振りで、
宣言通り、ヨルダンとエジプトにガザ市民(およびパレスチナ人)の受け入れを迫っています。
訪米したヨルダンのアブドラ国王は、本件について明言は避けたものの、重病の子供たちについては受け入れに前向きである旨、
公言し、ついにトランプ劇場の幕が開きました。
今後、エジプト政府(シシ大統領)の回答の内容によっては、一気に歴史の壁に大きな穴が開き、
中東地域におけるパンドラの箱が開くことに繋がります。
トランプ政権誕生後、初めての外国首脳として、ワシントンDC(ホワイトハウス)を訪れた
ネタニエフ首相からトランプ大統領に贈られた金のポケベルはどのような意味を持つのでしょうか?
また中東を舞台にしたトランプ劇場は、すでに混乱を極める中東情勢にどのような影響を与えるでしょうか?
イラン問題、とくに核合意(イランの発展を願う。そのためには核兵器の保持は許さない)への言及と
それに対する地域の反応に対して、大きな懸念を抱いています。
三つ目は【米ロ間の和平協議がいよいよ始まること】です。
関係者から急に連絡が入り、14日から16日に開催されるミュンヘン安全保障会議の機会を用いて、
まず14日に“ウクライナ戦争の停戦”を巡る米ロ協議が行われることになりました。
アメリカからは今のところ、バンス副大統領、ルビオ国務長官、ウクライナ・ロシア担当特使を務めるキース・ケロッグ氏、
そして12日からブリュッセル入りしているヘグセス国防長官も加わると言われています。
米ロウクライナの3か国協議が開催されるかどうかは未定とのことですが、
ミュンヘン安全保障会議にはウクライナからゼレンスキー大統領をはじめとする閣僚も参加していることから、
その可能性は否定できないと思われます。
私自身は中立な第3者ですのでこの会談に直接参加することはないですが、
各国国民の調停グループメンバーの数名が同席することになったようです。
(私はミュンヘン安全保障会議の議論に、リモートで参加する予定です。)
いよいよウクライナ情勢に関する和平調停と、トランプ劇場が始まりました。
今週号の【2-国際情勢の裏側】では、
【常識外れ連発のトランプ劇場‐世界に安定を取り戻す特効薬となるか?それとも破滅の扉を開くのか?】
と題してお話しします
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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