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2025年2月7日号(Vol.352)- 和平交渉の教訓(1)&トランプ大統領が仕掛けた危険な遊び:“アメリカ領ガザ”提案が抹殺する和平の機運

最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
第352号(2025年2月7日号) 『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』 はじめに: いつもメルマガ 『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』 をお読みいただきありがとうございます。 さて、今週号の内容ですが、まず【1】の 『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、 今週からは、 【ビジネスにも活かせる外交交渉からの教訓】 についてお話しいたします。 今週号は【Peace Negotiationの進め方】についてお話しします。 その内容は本編をお楽しみに♪ 次に【2―国際情勢の裏側】ですが、 一つ目は【トランプ大統領が“ガザをアメリカ所有にする”というアイデア】が巻き起こしたパニックについてです。 主張によると 【ガザ市民約180万人全てを周辺国に移住させる】 【エジプトとヨルダンは公には拒否しているが、近く受け入れるだろう】 【ガザはアメリカが引き受け、再開発することにする】 ということなのですが、このような荒唐無稽なアイデアがどこから出てくるのか?と驚きました。 同盟国も含む各国からは、すぐさま驚きと失望、そして激しい怒りと非難が表明されましたが、トランプ大統領はあまり気にしないそぶりを見せています。 ワシントンDC訪問中のイスラエルのネタニエフ首相が 首脳会談後の記者会見時にトランプ大統領がこのアイデアを披露した際に見せた “隠すことができないニヤッとした笑み”は多くのことを想像させてしまいます。 トランプ大統領のこの発言の“真意”はどこになるのでしょうか? お得意のディール・メイキングのための観測気球でしょうか? それとも・・・・。 2つ目は【ルワンダによるコンゴ民主共和国への侵攻疑い】についてです。 『コンゴ民主共和国内のM23運動(3月23日運動)によるコンゴ民主共和国政府軍への抵抗の背後に、 ルワンダ政府がいるのではないか?』との疑いが上がっています。 フツ族とツチ族の間の激しく残虐な民族浄化戦争を収め、ルワンダをIT大国に育て上げ、海外からの投資を多く呼び込み、 ルワンダの奇跡を演出したポール・カガメ大統領の手腕は国内外で高く強化されていますが、 彼の“裏の顔”は、出身民族であるツチ族を優遇し、 フツ族の影響力を削ぐためには手段を選ばないという性格があるとされています。 今回の騒動の首謀者であるM23もツチ族であり、コンゴ民主共和国内の政治的な混乱に乗じて勢力を拡大しようとする狙いが、 カガメ大統領の領土拡大欲と相まって、今回、2000人強の死者を出すような軍事行動に繋がっていると見られています。 ルワンダ政府は関与を否定してはいますが、世界有数のコバルトをはじめとするレアアースの産地でもある コンゴ民主共和国の資源および権益の掌握を、カガメ大統領が狙っているという噂は以前から絶えず、 今回は国際社会の目が中東やロシア・ウクライナなどに向いている間に、 一気に攻勢をかけたという分析もできるかもしれません。 まだ詳細についてはあまり入ってきていないため、これ以上の分析はまだできませんが、 今後の展開によっては非常に脆弱なパワーバランスの上に安定を維持している東アフリカから中央アフリカに広がる大惨事に 繋がりかねないため、引き続き情報収集に努めたいと思います。 ただ国連PKO部隊(MUNUSCO)の人員にも多数の死者がでているとのことですので、 今後、このままただでは済まないだろうと推察します。 今週号の【2-国際情勢の裏側】では、 【トランプ大統領が仕掛けた危険な遊び:“アメリカ領ガザ”提案が抹殺する和平の機運】 と題してお話しします 今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。 それでは今週号、スタートします★

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  • 最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
  • 世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。
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