切れ味の鈍った金融政策と利上げ効果
日銀は昨年、欧米から2周遅れの利上げに転じましたが、12月には政策金利が0.25%の段階で政府や国民民主党は中小企業には金利負担が大きい、住宅ローンの負担も大きくなるとして日銀の利上げに反対し、日銀はこれに屈しました。民間からも日経センターの岩田一政理事長や一部のエコノミストから中立金利が低下しているので、これ以上の利上げは不要との声が上がりました。
その一方で米国の例を見ると、金融政策の切れ味が悪くなっているようで、従来の引き締め効果が見られず、トランプ大統領に「FRBはインフレ抑制に失敗した」と言われてしまいました。FRBはピーク時5%台の政策金利が十分引き締め的だったのか議論し、引き締め過ぎのリスクを回避したのですが、結果として米国の成長率は潜在成長率を超える高い成長を続け、需要の抑制には至りませんでした。
米国では引き締め効果が疑問視され、インフレ抑制に失敗したとの評価まで見られますが、日本では米国と違って引き締め過ぎの懸念もみられます。米国での事情をチェックしたうえで、日本での利上げ効果の評価、今後の利上げ余地を探りたいと思います。
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