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ビジ選☆リーダーズ Vol.1079『のんびり稼ぐドイツ人の幸せな働き方』(熊谷徹)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■なぜ、日本はドイツに抜かれたのか 日本は、名目GDPを55年ぶりにドイツに抜かれた。経済大国世 界第3位の地位をドイツに奪われたのだ。ドイツは日本よりも3分 の1も人口が少ないにもかかわらずだ。 しかも、ドイツ人の労働時間は、日本人よりはるかに短い。長期休 暇もたっぷり取る。残業しながら働き続けている日本人は、ゆった りと働いている時短国家ドイツに抜かれたのだ。 これに対して「ドイツのインフレと円安が原因だ」という意見もあ る。たしかにこれも一因だ。だが、主な理由は、ドイツの成長率が 日本のバブル崩壊以降、日本を上回り続けたことにある。 ドイツの名目GDPは、30年かけて日本に肉薄した。インフレと 円安はダメ押ししたに過ぎない。日独経済の成長率と労働生産性の 違いが日独逆転の原因なのだ。 ★ さらにショックなことに、ドイツ人は日本人より稼いでいる。過去 30年日本の平均賃金は下がり、ドイツは大幅に上昇した。市民一 人当たりの名目GDPでも、ドイツは日本に水を開けている。 日本人は、プライベートの時間を犠牲にして、真面目に長時間働け ば、成果が出て、会社の業績が上がり、自分の給料が増えると信じ てきた。だが、この考え方は間違いだ。 これをきっかけに、日本人は働き方を見直すべきだ。もちろん、い きなりドイツ人のやり方をコピーしても成功しない。ドイツとは、 商慣習や法律制度などの違いがあるからだ。 それでも、ドイツ人の働き方の中には、日本人が応用できるものも 少なくない。日本でも使えるものを選び出して、仕事を効率化して 生産性を高めていくべきだ。 ★ ドイツ人は仕事が残っていても、夕方になるとさっさと退社してし まう。18時ごろにはオフィスから人影は消える。夜遅くまで残業 している人などほとんどいない。 まして土曜日や日曜日には、誰もオフィスでは働かない。コロナ禍 以降、テレワークを行う人が増えてからは、オフィスで働く人の数 はさらに少なくなった。 ドイツは、世界一の時短国家だ。OECD加盟国中最短だ。日本 は、第15位だ。労働時間を10時間とすると、ドイツ人の労働時 間は日本人より年間27日分短い計算になる。 ドイツ人の労働時間が日本と同水準だったのは、はるか36年前の ことだ。つまり、労働時間短縮の面では、日本はドイツに36年遅 れているのだ。 ★ ドイツの労働時間が日本より大幅に短いのには、大きく2つの理由 がある。まず労働時間に関する法律による規制・監督が日本よりも はるかに厳しいことだ。 ドイツの企業や役所、商店では、1日10時間を超える労働は禁止 されている。理由は、働く人たちの健康を守るためだ。長時間労働 は体に悪いという考えが浸透しているのだ。 長時間労働をさせるブラック企業には、優秀な人材は集まらない。 これは企業にとって深刻なダメージだ。だから、企業も働きやす く、ワークライフバランスが良好な会社を目指す。 「一日の労働時間が10時間を超えない」「長時間労働させない」 というのがドイツ企業の基本だ。部下を長時間働させなくては成果 が出せないような管理職には「無能」という烙印が押される。 もう一つ、効率性を重視し、無駄を嫌う国民性も大きい。ドイツ人 は、極端に無駄を嫌う。会議の開始や列車の到着が遅れるだけでも 不平不満を口にする。 仕事の時は、能率や効率性を重視し、無駄な会議や見返りが期待で きないような仕事を極端に嫌がる。そういう仕事には、はじめから 時間や労力を投入しようとしないのだ。

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