■思い通りに早く書く人になる
ビジネスでは書くカが必須だ。メールやチャット、報告書や議事
録、提案書、企画書などの作成、お客様への案内文、インターネッ
トに掲載する文書やSNSへの投稿文などキリがない。
専門性が高くても、文章が下手なだけで信用を失う。伝わらない文
章書くことで、大きなミスやトラブルを招くこともある。文章作成
スキルが低い状態を放置しておく事は百害あって一利なしだ。
思い通りに早く書くには、文章とは何かを知ることだ。残念ながら
文章は完璧な情報伝達手段ではない。誤読や誤解は日常茶飯事だ。
書き手が発信する情報と読み取る情報には誤差が生じるのだ。
★
文章は、読み手の解釈に依存しやすい。その結果、誤解やトラブル
を招きやすい。読み手に勝手な自己解釈をさせないように、読み手
が理解したり、イメージしやすい文章を心がける必要がある。
たとえば「14時から会社におります」と書いて「遅くとも15時ま
でには来るだろう」などと思いがちだが、相手は「では、17時ご
ろに伺おう」と考えてしまうかもしれない。
これを避けるには相手に自己解釈させない工夫が必要だ。たとえば
「明日は14時から会社におります。15時までにいただけると助か
ります」などと書けば自己解釈の余地が減るはずだ。
★
文章を書く時は、読み手が誰かを明確にしておくべきだ。ターゲッ
トが明確な文章には伝わる力がある。文章の方向性がはっきりする
から、早く思い通りに伝わる文章が書けるようになる。
目的を決めることも大事だ。これが漠然としていると伝わらない。
多くの人が、文章の目的を曖昧に理解している。たとえば、謝罪文
の目的は「お詫びの気持ちを伝える」となりがちだ。
しかし、これでは目的に対する踏み込みが不十分だ。踏み込んで考
えれば「相手に快く許してもらう」になるはずだ。
目的を持たずに文章書くことは、地図を持たずに旅に出るようなも
のだ。ゴールの方向がわからず、どう文章が迷わない。その結果、
人に伝わらない文章ができてしまうのだ。
★
読む人のニーズ、すなわち「求めているもの」「欲しがっているも
の」を把握して書くべきだ。これができないまま文章を書き始める
と自己満足な文章になりがちだ。
たとえば、飲食店で「ただいま休憩中」などと張り紙がしてあるこ
とがある。これでは、何時まで休憩なのかがわからない。お店側が
自分たちの都合だけを一方的に伝えたダメな文章だ。
これに対して「販売再開は15時からです」とまで書いてあれば、
読んだ人は「その時間に改めて来よう」とか「今日は止めておこ
う」などと判断を下すことができるはずだ。
★
書く時は、自問自答を繰り返すことだ。質問に答えることで書くべ
き素材が棚卸しされるからだ。逆に質問に答えられないことについ
ては、どう頑張っても書くことはできない。
テーマを決めたら、自問自答しながら書き進めていく。その際、読
む人が知りたがっていることを想像しながら自問自答をする。読み
手の代役として質問する意識を持つことが大切なのだ。
特に、論文や評論コラムなど、自分の意見を書く文章では、自問自
答が果たす役割はより大きくなる。鋭い意見を書くには、鋭い質問
が必要だからだ。
たとえば、環境破壊について書くなら「環境破壊をどう思うか」と
問えば、答えは「環境崩壊は止めなければならない」などで終わっ
てしまう。
これに対し「環境破壊を止めるにはどうすればいいか」と問えば、
答えは「環境破壊の現状を広く人々に知らせる」などとなる。環境
破壊が止められない原因・社会的経緯まで踏み込めるのだ。
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