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『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』
~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.90】
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【今週号の目次】
1. 気になったニュースから
◆ 米Figure社が発表した人型商用ロボット
2. 今週のメインコラム
◆ 2025年 年頭にあたって
3. 読者の質問に答えます!
4. スタッフ“イギー”のつぶやき
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1. 気になったニュースから
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◆ 米Figure社が発表した人型商用ロボット
あけましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願い致します。
今週は、ちょうど恒例のCES(Consumer Electronics Show)が米ラスベガスで開かれており、ソニーホンダモビリティのEVもようやく予約販売開始ということで販売価格のアナウンスがされたようですが、CESの話題については少し整理してからまた日を改めて取り上げたいと思います。今回は、昨年末に発表があった人型ロボットの話です。
私は、幼い頃、手塚治虫氏の『鉄腕アトム』に夢中になった世代ですが、同作品では、人間と人型ロボットが共存したり、ロボットが労働争議を起こしたり、鉄腕アトムが悪いロボットと戦ったりするような未来社会が描かれていました。
昨年12月17日に、Figure社という米国のスタートアップが、Figure 02という自律駆動型の人型ロボットの商用出荷を開始したと発表しました。イーロン・マスクも、かねてからOptimusという自律駆動型の人型ロボットを開発中で、今年中には販売を開始すると言っていますが、いよいよ今年は、かつて鉄腕アトムで手塚治虫氏が描いたSFの世界が現実となる元年と言える年になるかもしれません。
Figure 02は、身長167cm、体重70kgで、1回の充電で約20kgの荷物を運ぶ作業を5時間継続できるそうです。歩行スピードは時速約4.8kmとのことですが、人の歩行スピードの平均が時速3~4km程度ですから、人並みかそれよりも速く歩くことが出来ますし、階段を昇ったり降りたりすることも出来ます。歩行スピードは、旧モデルの約7倍とのことで、人型ロボットが驚異的な速度で進化していることの一端を示していると言えます。ドアを開けたり道具を使った作業を行なったりするための手を備えていて、人間が行っているさまざまな作業を代行することが可能です。
Figure社は、昨年1月に独BMW社との協業を発表し、同社のロボットをサウスカロライナ州にあるBMW社の自動車製造工場で働かせることを目標に掲げました。そして翌2月には、マイクロソフト、エヌビディア、OpenAIのスタートアップファンド、ジェフ・ベゾスなどから26億ドル(約4100億円、1USD=158JPY)のバリエーションで計6億7500万ドル(約1070億円)を調達すると共に、人型ロボット用のAIモデルを開発するための協業契約をOpenAIと締結しました。
AIに身体性を持たせる試みとも言える人型ロボットは、今後数年もすれば、--
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