■声と話し方で人を動かす
部下が指示を理解してくれない、やる気を見せてくれない、部下か
らの信頼を感じられないなど、部下のマネジメントに悩むリーダー
が少なくない。
部下がまったく言うことを聞いてくれないために、リーダーの仕事
にやりがいを感じられず、リーダーなどやめてしまいたいと考える
人もいるかもしれない。
こうした悩みを受けて、部下とのコミュニケーションのノウハウも
あふれている。「部下が前向きになる言葉」「部下が勝手に動き出
す言葉がけ」「心理的安全性を高める伝え方」という具合だ。
いずれも、ボキャブラリーを増やすなどして、部下を傷つけること
なく、前向きな気持ちにさせる、いわば伝え方のノウハウだ。たし
かに、伝え方でコミュニケーションが改善することは少なくない。
だが、もっと簡単な方法がある。声を変えることだ。声を変えれ
ば、部下から共感・共鳴されることができるのだ。これがリーダー
の悩みを全て解決してくれるのだ。
★
かつてリーダーシップはトップダウンが主流だった。だが現代は、
誰もが能力を発揮できる情報化社会だ。ここで求められるのは部下
から共感・共鳴され、共に成長を目指すリーダーだ。
そのためには、笑顔や冗談で部下との距離を縮めつつ、時には力強
い言葉やアドバイス、強さや聡明さを見せるなど柔軟性が必要だ。
状況に応じて、適切な声と話し方で部下を導くのだ。
つまり、共感リーダーシップの鍵は「声と話し方」にあるのだ。適
切な声と話し方を身に付けることで、部下との信頼関係を築き、部
下の才能を開花させ、チームの力を最大限に引き出すのだ。
★
多くのリーダーが、理想のリーダー像とうまくいかない現実とのギ
ャップに悩んでいる。だが、リーダーにふさわしい内面や自信など
なくても大丈夫だ。声の仮面をつければいいのだ。
そもそも、部下に信頼される声や話し方は、生まれ持ったものでは
ない。だから、トレーニングすれば、誰でも身につけることができ
るのだ。
必要な声と話し方を身につけ、使い分けることだ。これができれ
ば、誰でも共感・共鳴されるリーダーとしてふるまうことができる
のだ。
★
部下から共感されるリーダーに必要なのは、エナジャイズ・ボイ
ス、ブレイブ・ボイス、エンバシー・ボイス、メンター・ボイスの
4つの声だ。
エナジーボイスとは、明るくエネルギーのある声だ。部下を奮い立
たせて、チームを活性化させ、前向きな雰囲気を作る。たとえば、
ミーティングで明るくエールを送ることで部下の士気を高める。
ブレイブ・ボイスとは、力強さ勇気を感じさせる声だ。決断力とリ
ーダーシップを示し、安心感と困難に立ち向かう力を与える。トラ
ブル発生時にも、チームの士気を高め、乗り越える雰囲気を作る。
★
エンバシー・ボイスは、優しい共感と冷静さの声だ。部下の心に寄
り添い、安心感を与えて冷静な判断を促す。部下がミスをした際、
優しく対処法を教え、部下の不安を和らげ自信を取り戻す。
メンター・ボイスは、理性と聡明さの声だ。冷静で的確な指示とア
ドバイスで信頼感を高め部下を導く。進捗確認などで落ち着いて状
況を確認し、相手の意見や提案を尊重して信頼関係を深める。
このように、状況に応じて、4つの声を使い分けることだ。これが
できるからこそ、部下から共感・共鳴されるリーダーとしてふるま
うことができるのだ。
多くの人が、声は生まれつき変わらないと考えているが、それは誤
解だ。正しいトレーニングを行えば、必ず変わる。ステップバイス
テップで効果的な声の出し方を身につけるべきだ。
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