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「フェルネル、占星術、ルネサンス医学」(後編)

BHのココロ
  • 2024/11/02
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今回は、前回にひきつづき10月初旬に京都大学で開催した国際会議「イスラム圏とヨーロッパにおける占星術と占星魔術」で発表した新作原稿の邦訳版(後編)をお送りします。まだまだ荒削りなヴァージョンですが、これから時間をかけて徐々に磨いていこうと思います。 プラトン主義、世界霊魂、占星術  つぎの第18章でフェルネルは、自然物の形相にまつわる「隠れた諸特性」の起源を議論する。彼はまず、形相ほど自然物の「実体全体」、あるいは「本質」と呼ぶにふさわしいものはないと断言する。 つまり彼は、各自然物の実体全体がもつ諸特性と形相に由来する諸特性を同一視している。フェルネルにとって、実体全体は形相とほぼ同意義となる。そこから彼は、諸形相の起源はこれらの諸特性の起源と同一だと結論するのだ。  つぎにフェルネルは、これに先立つ対話篇の論点をまとめる。神は偉大なる自身の神性だけによって、諸天を星々とその諸力、および四元素とともに創造した。聖書によると、大地と水から自然物をもたらしつつ、神はこれらの事物に四元素の混合によって質料をあたえ、そこに天界から与えられる諸力をもった形相を挿入するのだ。さらにフェルネルはつづける:

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