vol.248:ピンドードー、Temuはなぜ常識外れに安いのか。中国で始まっているBOPビジネスの拡大

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2024/09/30
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 248 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、中国の安さについてご紹介します。 SNSでは、TemuやSHEINに対する悪評が盛り上がっています。もちろんその中にはTemuなどが真剣に対応をしなければならない有害物質などの問題もありますが、根底にあるのは「安すぎておかしい」という直感です。中国製品の安さが理解の範疇を超えているために、「何か裏で違法なことをしているのではないか」「損までして販売する裏には別の意図があるのではないか」と考えてしまいがちなのです。 しかし、Temuはあれだけの安さで販売をしながら、運営元の拼多多の財務報告書を見ると、Temuからの収益が大きなものになっていることがわかります。ちゃんとどころか、大いに儲けています。 この安さの秘密は、拼多多がBOPビジネスを参考に設計されているからです。BOPとはBase of Pyramidの略で、わかりやすく言うと貧困ビジネスです。貧困ビジネスといっても悪辣なものではなく、対象となる消費者の購買力や生活上の課題をよく分析して、必要な製品を購入可能な価格で販売するというビジネスの王道とも言えるものです。 ただし、BOP層は購買力がとても小さいですから、通常のビジネスとはまったく異なる発想でビジネスを構築していく必要があります。拼多多はこのBOPビジネスを参考に中国で成功をし、そして越境ECで海外でも成功をしようとしています。 では、BOPビジネスと普通のビジネスはどこが違うのでしょうか。拼多多の中からどのような点がBOPビジネス的なのかをご紹介し、BOPビジネスの本質を理解していただくというのが今回の趣旨になります。 今回は、中国の安さの秘密とBOPビジネスの考え方についてご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 248 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ 拼多多、Temuはなぜ常識外れに安いのか。中国で始まっているBOPビジネスの拡大 小米物語その166 今週の「中華IT最新事情」 次号以降の予定 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 拼多多、Temuはなぜ常識外れに安いのか。 中国で始まっているBOPビジネスの拡大 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、中国製品の安さの秘密とBOPビジネスの関係についてご紹介します。 Temu(テム)やSHEIN(シーイン)、AliExpress(アリエクスプレス)といった中国越境ECに対する風あたりがどんどん強くなっています。このメルマガでも何度か触れましたが、「クレジットカードが不正利用される」「品質のひどいものが販売されている」「韓国では有害物質が検出された」などです。もはや繰り返しませんが、デマと断定をしていいものから、真剣に考えなければならないものまでさまざまです。 カードに関してはデマあるいは勘違いと断定してかまわないことはお伝えしました。低品質については、自分の経験や周囲の経験からはあり得ないと思いますが、それでも「問題のある商品は1つもない」と断言することはできません。有害物質検出の件は、同じ製品が日本でも販売されている可能性があり、アマゾンでも同類と見られる商品が販売されている以上、日本でもすぐに検査をし対処をする必要があります。しかし、公的機関はなかなか動いてくれません。 「SHEIN、Temu、アリエク…商品から“発がん性物質”検出の韓国発表を受け厚労省「情報収集中」」(弁護士JPニュース、https://news.yahoo.co.jp/articles/30f22455451d3cd4a454d9013f00910cb88f1dcd)では、厚生労働省化学物質安全対策室の担当者が「具体的にどの商品から何の物質が検出されたかなど、報道だけではわからない部分もあり、情報を収集しているところです。情報が集まり次第、日本の基準に照らして精査し、検査をするのか、する場合はどの商品を調べるのかなど今後の対応を検討していくことになります」と述べているのですが、有害物質が発見された商品については、韓国ソウル市のウェブサイトで公開されています。 https://www.seoul.go.kr/news/news_report.do#view/412765 ▲ソウル市が検査した有害物質を含む製品については情報公開が行われている。 ところが、この情報公開は不十分で、商品の写真はあるものの、販売業者の名前や商品名、型番のようなデータが記載されていません。外見写真だけから、商品を特定するのは非常に手間がかかるため、ソウル市の方に照会をしている最中なのかもしれません。 いずれにしても、健康に直結する話なので、早く検査をして、問題のある商品に関しては販売停止をするなどの措置をしていただきたいものです。このままでは、消費者は不安の中に置かれ、Temuなどの越境ECにとってもいつまでも疑義がかけられた状態になるため、誰も得をしません。

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