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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 243
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、中国の広告事情についてご紹介します。
今、ネット広告の世界は大きな変革期を迎えています。グーグルがこれまでやってきた広告手法は、利用者がどのサイトを閲覧しているかを追跡して、それに基づいて適切な広告を見せるというターゲティング広告が中心でした。しかし、2020年からアップルはこのようなサイトを横断する行動追跡はプライバシーを侵害しているとして、自社のブラウザー「Safari」に、行動追跡を無効にする機能を搭載しています。
これにより、グーグルは「サイト越えトラッキング」ができなくなり、広告精度が下がり、得られるマーケティングデータの質も低下をしています。
そこで、多くの小売企業が注目をしているのがリテールメディア広告です。アマゾンのサイト内広告がその例ですが、アマゾンはアマゾンの中だけでトラッキングを行い、適切な人に広告を見せるターゲティングを行います。自分のサイト内だけのデータに基づいているため、プライバシー侵害だと考える人は少数派です(それも嫌ならアマゾンにアクセスをしなければいいだけです)。
中国では、その歴史的経緯から、グーグルのようなサイト越えトラッキングによるターゲティング広告が発達せず、初期の頃からリテールメディア広告、サイト内トラッキングによる広告が主流になっていました。
さらに、中国では屋外広告なども活用し、それをネットサービスに連結させるO2O(Offline to Online)手法が発達をしてきました。中国が進んでいるというわけではなく、偶然、私たちの一歩先の地点にいたわけです。それでも、これから私たちがしなければいけないことを、中国は先行して行っていたわけですから、参考になる事例はたくさんあるのではないかと思います。
今回は、中国の広告事情をご紹介し、サイト内トラッキングによる広告、ファーストパーティーデータによる広告がどうなっているか、そしてO2Oをどのようにやっているのかをご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 243
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▼目次▼
クッキー規制により大変革が起きているネット広告。中国で進むファーストパーティーデータとO2O
小米物語その162
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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クッキー規制により大変革が起きているネット広告。
中国で進むファーストパーティーデータとO2O
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今回は、中国の広告業界についてご紹介します。
2023年の中国のネット広告の市場規模は5732億元(約11.81兆円)となり、前年比12.66%の成長となりました。「情報通信白書」(総務省)によると、世界のデジタル広告市場は4155億ドル(約61.1兆円)であり、日本のネット広告市場は3.33兆円となっています。つまり、中国のネット広告は世界の20%を占め、日本の3.5倍の市場規模があります。
ここで面白いデータをご紹介します。「Duopoly still rules the global digital ad market, but Alibaba and Amazon are on the prowl」(eMarketer、
https://www.emarketer.com/content/duopoly-still-rules-global-digital-ad-market-alibaba-amazon-on-prowl)=「ふたつの独占的企業が依然としてグローバルの広告市場を支配。アリババとアマゾンは足踏み」という記事に出ているデータです。
▲世界のネット広告市場は、グーグルとメタが支配をしているが、グーグルはシェアを徐々に下げてきて、メタに追いつかれそうになっている。
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