〇ご近所のメディア王なのだ
橘川 1961年ごろ小学校5年のときに、近所でいちばん初めに我が家にテレビ受像機が入ったんです。僕、手作りのメガホンでご近所に「うちにテレビが入りました。観にきてください」って呼び込んだんですよ。それで人が集まった。ところが、そのとき肝心のテレビが故障しちゃって……。しかたがないんで、フィルムの映写機みたいなのを見つけ出して、急遽(きゅうきょ)「映画会に切り替えます」ってアニメか何かを上映したのを覚えています。
だから、このころからすでに僕はご近所のメディア王だったんです。まだね、地域コミュニティがあったんですよ。ガキ大将のお兄さんがいてね、いろいろな路地裏遊び、を教えてくれるわけ。学校から帰ってくると、外に出てその遊びをするんです。近所の縁側がたまり場でね、他人の家なんですが、路地に突き出したパブリックな場になってました。誰か金持ちの子が「少年サンデー」とか「少年マガジン」を買ったら、そいつは読み終えるとそこに持ってくるんです。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)