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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2024年7月6日(土)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------- はじめに -----------------------------------------------------------------------------------------------------------  7月3日、最高裁判所大法廷は旧優生保護法を「違憲」とし、国に対して賠償を命じる判決を言い渡す。判決は、旧優生保護法の下で強制不妊手術を受けた被害者が国に損害賠償を求めた5件の訴訟に対するもの。  旧優生保護法は1948年に制定され、1996年に母体保護法に改正されるまで存在した法律。法律は、障害者や特定の疾患を持つ人々に対して、本人の同意なしに強制的に不妊手術を行うことを認めていた。その目的は「不良な子孫の出生を防止する」ことであり、約2万5000人がこの法律の下で不妊手術を受けた。  最高裁は、旧優生保護法が個人の尊厳や人格の尊重をうたう憲法13条および法の下の平等を定めた憲法14条1項に違反すると判断。  また民法の「除斥期間」により、違法行為から20年が経過すると賠償請求権が消滅するという規定については、最高裁は「著しく正義・公平の理念に反する場合は適用されない」と初めて判断し、1989年の最高裁判例を変更。  そして国が旧優生保護法のもとで強制不妊手術を積極的に推進してきたことを踏まえ、「国の責任は極めて重大だ」と述べ、被害者1人あたり最大1650万円の賠償を命じた。  判決により、同様の事情にある他の原告たちも救済される道が大きく開けた。国は被害者に対して謝罪し、さらなる補償を行うことが求められている。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- 東京都知事選の泥仕合 止まらない蓮舫バッシング 誰がN国党を支持しているのか? 求められる実践的な主権者教育 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------  7月7日に投開票を迎える都知事選まで1週間を切った。  選挙には過去最多となる56人が立候補。現職の小池百合子氏(71歳)が3選を目指しているほか、前参院議員の蓮舫氏(56歳)が立候補し、野党共闘の候補となっている。  また前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41歳)も注目される候補の一人。  選挙戦は、小池氏の2期8年の都政評価が最大の争点となっているほか、子育て支援や経済政策、医療・福祉などが主要な政策テーマとなっている。  あるいは小池氏と蓮舫氏による事実上の与野党対決の構図となっており、SNSを活用した選挙運動が活発に行われている。  過去の都知事選では、多くの場合50%を超える投票率。今回の選挙では、期日前投票が前回より約7万人増加していることがわかり(1)、注目度は高い。  「センキョ割」という投票促進キャンペーンが実施されているほか、 同日には東京都議会議員補欠選挙も行われる。  一方、N国党は、寄付者に選挙ポスター掲示板の使用権を譲渡し、事実上「販売」していると批判されている。このことは選挙の品位を貶め、日本国を衰退させる要因となっている。 目次 ・蓮舫バッシング 「2位じゃダメなんでしょうか?」 日本のジェンダーギャップ指数が、日本は146カ国中118位なのに? ・誰がN国党を支持しているのか? ・求められる実践的な主権者教育 ・蓮舫バッシング 「2位じゃダメなんでしょうか?」 日本のジェンダーギャップ指数が、日本は146カ国中118位なのに?  一方、ネット上では案の定というべきか蓮舫氏への醜いバッシングがみられた。 SNS上では「#蓮舫パニックおじさん」といったハッシュタグが登場し、彼女に対する過剰なまでの誹謗中傷が見られた。このことに対し、ジャーナリストの尾中香尚里氏は、これを「日本政治の劣化」と指摘(2)。  2016年に発生した蓮舫氏の「二重国籍」問題が再び取り沙汰されている。これは、蓮舫氏が台湾籍を保持していたことが判明した問題で、選挙のたびに蒸し返されることが多い。  しかしこの問題に関しては、民族マイノリティに対する差別的な側面も指摘(3)。  2009年の「2位じゃダメなんでしょうか?」という発言も再び取り上げられ、揶揄の対象となっている。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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