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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 234
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、拼多多創業者の「資本主義の逆回転」という発想についてご紹介します。
日本でもサービスが提供されているTemu(ティームー)は、そのあまりの安さからさまざまなことが言われます。ものすごく品質が低い、カード情報を抜かれる、関税や郵便制度を悪用して送料無料を実現しているなどと言われます。
このようなことが言われるのは、おそらく、私たちがまだ「安さとは何か」を理解できていないからです。20世紀の「安さ」しか理解できていないために、ここまで安いと、低品質の原材料を使って、製造工程もいい加減にして、従業員を低賃金でこき使って、さらには裏では法に触れることまでやって安さを実現しているのだと考えてしまいます。
しかし、Temuの母体である拼多多の創業者は、まったく異なる視点から、安さというものを考え、「資本主義を逆回転させる」というアイディアに到達し、それを実現するためのビジネスとして拼多多をスタートさせました。
資本主義の逆回転とは、簡単に言えば、製品の品質や価格はこれまでメーカー側が決定をし、消費者はそれを買うか買わないかの選択しかできませんでしたが、これを逆転させて消費者が品質や価格を決定する主導権を握るというものです。これは、最近よく言われるようになったC2M(Customer to Manufactory、消費者からメーカーへ)の考え方にも通じるものです。
では、資本主義の逆回転とはどのようなことなのでしょうか。そして、拼多多やTemuはどうしてあそこまでの安さを実現できているのでしょうか。
今回は、拼多多創業者の資本主義の逆回転という考え方についてご紹介し、Temuの安さの本質とは何かについてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 234
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▼目次▼
Temuはなぜ常識を超えて安いのか。創業者の「資本主義の逆回転」と安さの本質
小米物語その153
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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Temuはなぜ常識を超えて安いのか。
創業者の「資本主義の逆回転」と安さの本質
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今回は、拼多多やTemuの安さの理由についてご紹介します。
みなさんはTemu(ティームー)というECをお使いになっているでしょうか。あらゆるものが驚きの低価格で「あまりに安すぎてなんか怖い」と思っている方も多いかと思います。Temuの業績は公表されていませんが、母体となっている拼多多(ピンドードー)の財務報告書を見ると、Temuが大きな利益を生んでいることがわかります。
▲拼多多の有価証券報告書によると、Temuのサービスが始まって以降、手数料収入が激増していることがわかる。
Temuが米国でサービスインしたのは2022年9月で、日本では2023年7月からサービスを提供しています。現在は、世界50カ国に広がっています。母体の拼多多の収入の推移を見ると、2023年に入ってからTransaction収入が急増をしています。これは販売手数料収入ですから、Temuで販売される商品量が膨らんでいることが想像できます。
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