2024年06月21日
■ ますます需要拡大の「超純水」
水処理を手掛けるオルガノの株価が5年で約10倍になった。半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)の先端品工場の水処理を一手に手掛ける半導体関連株として注目を集める。
高い技術力を武器に成長を続けるだけでなく、好不況が数年の周期で入れ替わる「シリコンサイクル」にのみ込まれにくい安定感も強みだ。業績のブレが小さいのは、水処理事業特有の事情がある。半導体の材料や装置は、シリコンサイクルで受注が大きく変動しがちだ。半面、一度半導体の工場が立ち上がると、稼働が大きく落ち込んでも、不純物除去に使う樹脂や薬品の性能を保つには水を流し続ける必要がありメンテナンスなどで安定して稼げる。
同業の3社で自己資本利益率(ROE)を比べると、オルガノの24年3月期は18.4%。栗田工業を上回るが、規模の小さい野村マイクロ・サイエンス(32.1%)に見劣りする。売上高営業利益率は、野村マイクロと同水準の約15%。工場を自社で持たない野村マイクロと同じ水準を確保するのは難しいものの、オルガノも効率化へ手を打つ。水処理システムの設計や運転管理への人工知能(AI)の活用だ。
3社は、それぞれ強みもあれば改善余地もあり、今後、各社ともにまだまだ大きな伸びしろがある。この3社をはじめ、半導体製造過程で必要不可欠な「超純水」に関わる企業を以下にあらためて挙げておく。
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