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中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話
2024.06.17【Vol.490】
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■目次
┣1.うさぎ的日常日記
┣2.女王様のご生還
┣3.うさぎの図書館(ネタバレ上等)
┣4.コスプレ老婆
┣5.動く中村うさぎ
┣6.著作一覧
┗7.運営事務局から一言
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── 1.うさぎ的日常日記 ──
こちらのコーナーは、明日以降の配信となります。
誠に申し訳ございません。
── 2.女王様のご生還 ──
◆虚言少年 7
習い事でもスポーツでも、経験を重ねるにつれて熟練度が増していく。
虚言もまた然り、だ。
今や「嘘」はすっかり身体に馴染み、僕の一部になっていた。
存在しない人物を創り出し、ありもしない事実を捏造して、友人たちの笑いや涙や羨望を思いのままに操る。
他人を操る全能感と、なりたい自分を演じる快感。
時にはバレそうになってヒヤヒヤするけど、うまく切り抜ければとてつもないカタルシスが味わえるから、いつしかそのスリルさえ悦楽と化した。
僕の人生は綱渡り。
足を滑らせれば真っ逆さまに奈落の底へと転落する。
でも、うまく渡れている間は、僕は世界を意のままにする大魔法使いだ。
こうして、魔法の歳月が夢のように過ぎていった。
その間に僕は大学を卒業し、とある大手の出版社に就職して、女性週刊誌の編集部に所属されていた。
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