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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2024年6月16日(日)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------- 欧州議会選、投開票 極右台頭”ニューノーマル”化 仏マクロン、下院解散 危険な賭け  ----------------------------------------------------------------------------------------------------------  6日から9日にかけて欧州連合(EU)欧州議会(定数720、任期5年)選挙の投票が行われ、9日に開票された。議会事務局発表の暫定結果によると、EUの政策に批判的な極右や右派は伸長し、計150議席を占めるに至った。  この結果を受け、フランスのマクロン大統領は与党の大敗を受け止め、国民議会(下院)の解散総選挙を発表。  続投を目指すフォンデアライエン欧州委員長を支える親EUの3会派は議席を減らすものの過半数は維持し、今後は次の指導部人事が焦点となる。  10日午前の暫定結果では、親EUの3会派が上位3位を占めるも、16議席減らし計401議席。  内訳は、中道右派「欧州人民党(EPP)」が185席で最大を維持。続いて中道左派「欧州社会民主進歩同盟(S&D)が137議席、中道リベラルの「欧州刷新」は、23議席減の79議席。  対して、EUに批判的な会派は、イタリアのメローニ首相が率いる右派政党が入る「欧州保守改革(ECR)」が4議席増の73議席。フランス極右の「国民連合(RN)などでつくる「アイデンティティーと民主主義」は9議席増の58議席を占めた。  一方、上記の会派に属していない極右・右派政党もあり、ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)が15議席を獲得し、勢力を伸ばす。 目次 欧州議会とは 極右の台頭 ”ニューノーマル” 仏マクロン、下院解散 危険な賭け  ・欧州議会とは  欧州議会は、EU(欧州連合)の機関で唯一直接選挙が行われ、ときに「EU市民の代表」とも呼ばれる。  加盟国の閣僚らで構成されるEU理事会とともに立法作成を担い、EUの政策や予算を承認する。議員らは法案を提出する権限は持ってはいないが、法案修正などを求めることでその影響力を行使する(1)。  また法案や政策を提案する欧州委員会のトップである欧州委員長の人事を最終的に承認するのも欧州議会の役割だ。  議会選挙は1979年から5年に1度実施され、今回はEUに加盟する27カ国で行われた。加盟国には人口に応じた議席数が割り当てられ、約3億7000万人の有権者(2)が自国の政党に投票する。  各国で選ばれたあと、政策や主張が合致する議員らが国をまたいで活動することが主な責務。今回の定数は270で、議席数の最多はドイツで96だ(3)。  投票できる年齢は各国によって異なっている。多くの国は18歳以上であるが、ベルギーとドイツでは今回、16歳に引き下げられた。またオーストリアとマルタは以前から16歳であり、ギリシャは17歳から投票できる(4)。  議会選の課題は低い投票率だ。それでも近年、増加傾向にあり、2019年に投票率は50.7%に達した。 ・極右の台頭 ”ニューノーマル”  欧州でも極右は、かつては過激せあるとして敬遠されてきた。しかし現在、極右は移民の急増やEUの政策に不満を抱く市民の共感を集め存在感を増し、極右勢力の「ニューノーマル(新常態)」化が進む。  欧州では新型コロナの流行が落ち着き始めた2021年ごろから、移民・難民の流入が急増。それは、2015年のシリア難民ら100万人以上が殺到した際を想起させた。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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