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第351号.どうして現在の年金受給者の年金額の伸びを抑制したり、厚生年金加入を拡大したりしようとするのか。

事例と仕組みから学ぶ公的年金講座
こんばんは! 年金アドバイザーのhirokiです。 ーーーー 1.なぜ被保険者期間を延長したり厚生年金加入者を増やそうとするのか。 ーーーー 最近、国民年金保険料納付期間を60歳から65歳まで延長して、今までの20歳から60歳までの強制期間を20歳から65歳までの45年間にするという話が多くなってきました。 なんとなく大ごとのようにメディアは報じますし、世間も少し怒り気味?ですが何をそんなに騒ぐ必要があるのだろうかと思います。 5年間強制加入期間を延長する事でその分、保険料負担が100万円ほど増えるという事で騒がれてるのでしょうけど、払うのが厳しければ免除を使えばいいだけの話であります。 そして、もし今のように最大40年で満額の基礎年金816,000円(令和6年度時点。月額68,000円)であれば、これを5年加入期間を延長する事で満額が1.125倍の918,000円(月額76,500円)になります。 世間は、そんな事をするのは年金財政が危機だからとかいう話に持っていってますが別に年金財政の問題ではなく、今の若い人が将来年金受給者になった時にできるだけ貧困に陥らないようにするためにこのような改正が行われようとしています。 今の若い人の将来の年金を増加させて貧困を減らすためなんて話はなかなか信じてはもらえないでしょうけど、目的はそれです。 よく、今の高齢者の年金額がなかなか伸びずに実質目減りとか、厚生年金加入を促進させる、国民年金の納付期間を40年から45年に延ばすというのはこれは全て今の若い人が年金を受給する年齢になった時の年金水準を高めるために行われているのであります。 年金は平成16年改正前までは、夫婦の年金が現役男子の平均賃金の60%(所得代替率)を目指すというものであり、その給付水準のために5年ごとの年金財政再計算をして必要な保険料を決めるというやり方でした。 少子高齢化が進む中で、どれだけ保険料を抑えるかという事が課題でもありました。 平成16年改正ではそれが逆転し、まず先に保険料水準の上限を決め、その保険料収入の中で年金給付を行うという形に変わりました。 厚生年金保険料の場合は18.3%が上限ですが、所得代替率にすると50%程度となります。 従来はできるだけ保険料を抑える事が課題でしたが、平成16年改正以降は固定された保険料の中でどれだけ高い給付にできるかどうかというのが課題となりました。 ーーーー 2.今の年金受給者の年金の上げ幅を抑制するのは将来の受給者のため。 ーーーー まず年金が実質目減りという話がよく出るようになりましたが、今の年金受給者の人の年金がなかなか上がらないで物価や賃金の伸びより低く抑えられているというのはマクロ経済スライドの事です。 過去に遡ると、年金というのは昭和48年改正の時に物価や賃金にスライドして、翌年の年金額を変更するという事が決まりました。 例えば物価が10%上がれば、翌年度の年金も10%上がるという流れで年金額は変化していました。 しかし、平成16年改正の時に年金の保険料の上限を決めて、入ってくる保険料収入の中で年金給付をしていくというふうに決めました。 厚生年金保険料は18.3%で、国民年金保険料は17000円×保険料改定率です。

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