■話し方の基本
初対面でどんな人とでも会話が弾めば、もっと話がしたいと切望さ
れたり、自分が提案したことが快諾されたりするようになる。そう
なれば人生は大きく変化する。
コロンビア大学の研究では、出会ったばかりの人たちと気軽に会話
ができて、きずなを作れる人は、そうでない人より独創性が3倍高
く、ビジネスの成功確率も高いことがわかった。
また、あるアンケート結果では、56.2%の人が「夫婦でもっと深い
話がしたい」と答えている。食事などの日常会話はできていても、
本当に話したい、心が満たされる会話ができていない人が多いのだ。
これほど人間関係や人生を左右する会話なのに、学ぶ機会はほとん
どない。話し方を学べばビジネスからプライベートまで人間関係が
激変するのだ。心理学をベースにした心をつかむ会話を学ぶべきだ。
★
人の関心事はいつも自分だ。地球の裏側で大事件が起きても、自分
の虫歯の痛みのほうが気になるのが人間なのだ。会話ではその原則
を忘れないことだ。
相手から相談されたら、まず共感することだ。そうすれば会話が続
く。人には他者から何かをもらったら、お返ししたくなる「返報性
の法則」があるからだ。
相手は、あなたに対する興味の100倍、自分のことに興味を持っ
ている。自分の話ばかりする人は、相手にまずい料理を出している
ようなものなのだ。
かといって、どんな相手にも対応できるようにと情報通を目指すの
は、相手好みの料理を作るために大量の食材をストックしておくよ
うなものだ。いざ振る舞おうとしても口に合わないことが多い。
会話も同じだ。相手の関心事やよく話題にすることを覚えておいて
話題にするだけでいいのだ。そうすれば、無理せず、話は広がるも
のなのだ。
会食では、クセが強いパクチーやレバーなどは避けたほうが無難だ。
同様に会話では敬遠されがちな、愚痴、悪口、自慢は避けたほうが
いい。
これを意識するだけで、相手が「おいしい」と感じる話題を提供で
きる確率が格段に上がる。話が美味しくなれば、相手は最後まで残
さず、話を聞いてくれるようになってくれるものなのだ。
★
人は気分を良くしてくれる人に「また会いたい」と思うものだ。ビ
ジネスや恋愛をうまくいかせるためには、自分と会話する前より、
した後のほうが相手の気分が良くなるようにすればいい。
そのために感動的スピーチを用意する必要ない。それは料理でいえ
ば高級料理だ。それより手軽な家庭料理のほうが、毎日健康的に食
べられる。会話なら、手軽に相手の気分が良くなる会話だ。
コーチングなどのプロが使うテクニック「積極的傾聴」では、相手
の価値観を尊重して自分の価値観を押し付けず、相手の関心事に関
心を払い、相手を承認することを意識する。
★
承認では、会った瞬間から相手の良いところを7つ見つけること
を心がける。意識すれば「笑顔が素敵」「優しい人」などと相手の
長所を発見することができるようになるものだ。
長所を見つけて、それを承認すれば、会話が弾み信頼関係も深まる。
「寝不足で」と言われたら、「忙しいのですね。お体大丈夫ですか」
と関心とねぎらいを示す。
これに対して「昼休みに仮眠をとって凌いでいます」と返されたら、
「仕事はできる方に集中しますからね。無理しないでくださいね」
と長所を指摘しねぎらいを伝える。
このように、会話の中で「相手が頑張っている点」「長所が発揮さ
れている点」「わかって欲しい気持ち」を意識しながら質問してい
けば「自分を理解してくれる人だ」と感じてもらえるのだ。
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