━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 230
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、ペット業界を例に、SNS「小紅書」がどのように活用されているかについてご紹介します。
小紅書というSNSは、よく「中国のインスタグラム」と呼ばれ、確かに見た目はインスタグラムに似ていますが、小紅書は小紅書としか呼び方がないほど独特です。ユーザーはSNS(知り合いと連絡をとる、交流する)という感覚も薄いと思います。
ではどういう言い方がぴったりくるかというと「生活百科」です。特に精彩(ジンツァイ、快適で心地よい)な生活情報に関しては、誰もがまず小紅書を調べます。ペットを飼ってみたい、素敵な郊外の家に住んでみたい、庭に植物を植えたい、週末にゆっくりと食事を楽しみたい、旅行に行って素敵な時間をすごしたい、そういうちょっとハイセンスなことをしたい時は、まずは小紅書です。小紅書には、このようなさまざまな情報が蓄積されており、必要な情報を手に入れられるようになっています。
ここのところ、中国で起きている流行=ヨガ、Citywalk(再発見する街歩き)、クロスバイク、漢服、国潮(中国伝統文化の再発見)、ペット、キャンプといったものは、小紅書が震源地になったり、そうではなくても小紅書が大きな役割をしています。
小紅書は、EC機能を備え、小紅書の中で商品を購入することができますが、流通額は大きくありません。それでも、小売業は小紅書に出店をし、小紅書で情報発信をします。小紅書は、さまざまな流行が最初に始まる場所だからです。
今回は、ペット産業を例にして、小売業にとって小紅書はどう活用されているのかをご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 230
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼目次▼
中国のペット事情と小紅書。アンテナショップとして活用される小紅書
小米物語その149
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中国のペット事情と小紅書。
アンテナショップとして活用される小紅書
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回は、中国のペット事情を材料にして、小売業が小紅書をどのように活用しているかについてご紹介します。
小紅書は、よく中国版インスタグラムと呼ばれますが、他の国にはなかなか見当たらないタイプのSNSです。私もこのメルマガで小紅書をSNS(Social Network Service)と呼んでいますが、SNSという分類にそぐわない感覚もあり、小紅書は小紅書と呼ぶしかないほど独特だと感じています。
最も大きな違いは、通常のSNSはフロー情報が主体になりますが、小紅書はストック情報が主体になるという点です。情報蓄積型のSNSなのです。一般的なSNS、例えばXは、今の情報がタイムラインに表示され、どんどん流れて過去のものになってしまいます。togetterのようにツイートをまとめるサービスもありますが、これも情報をストックするというより、話の流れを理解するために遡って読みたいというニーズに応えるもので、情報をストックしデータベース化していくという趣旨のものではないように思います。
一方、小紅書は生活データベースになっています。例えば「初めてペットを飼いたい」と思った時に「ペットの飼育」で検索をすると「初めてペットを飼う人が、その前に準備をしておくこと」「犬猫以外に人気にある小さなペット」「飼育の難しさと楽しさの二軸マトリクス整理」「初めての人でも飼える犬種」「通勤族でも飼えるペット」などの記事がたくさん見つかります。まるで、昔、書店に並んでいたさまざまな入門書のような情報がたくさんあるのです。
このような記事は、ペット好きな普通の人が整理をして掲載をしていることがほとんどです。ここが、他のメディアに真似ができないところです。他のメディアのこのような情報というのは、ほとんどすべて広告だと思って間違いありません。ペットショップやペット産業企業、ペットトレーナーなど、何らかの利益を得る人が作成をし、最後には自社のページに着地をさせようとしています。もちろん、だからと言って信頼ができない情報だということにはならず、むしろ業界のプロたちが執筆をしたり監修をしているので内容については正確ですが、自社利益に誘導していないのかという公平性についてはどこか疑問が残ります。
一方、小紅書の場合は中立的な一般人が記事をつくっているので、内容に関してはアマチュアですが、その分わかりやすく、公平性の高い記事になります。ペットを飼い始めてある程度の知識がついてくると、小紅書の記事では物足りなくなりますが、初心者から中級者ぐらいまでの間は、非常に役に立つ記事が多いのです。
ペットや自転車、キャンプ、ヨガといった最近のブームに対して小紅書が果たした役割というのは大きいものがあります。初めてのことに挑戦しようと思ったら、とりあえず小紅書を検索してみるというのが定番になっています。
記事を書くのがアマチュアですから、間違ったことを書いてしまうこともあります。しかし、記事ごとにコメント欄があるため、そのような場合は誤りを訂正するコメントがつきます。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)