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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 229
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、平替という新しい消費行動のトレンドについてご紹介します。
平替とは「平価代替品」の略で、高いブランド品を買うのではなく、安い同系統のものを買うという意味です。このような消費行動はずっと以前からありました。偽ブランド品もそのひとつだったかもしれません。中国ではブランド品とそっくりの商品がECや街中の露店で売られています。
このような安物買いは、中国人にとっても買うのは恥ずかしいことであり、惨めな気持ちにさせられる部分がありました。安物で我慢するしかないということだからです。
しかし、コロナ禍以降の先行き不安、景気悪化で節約意識が高まったことと、中国の製造業が底上げをされ、安物であっても標準品質をクリアしているものが増えたことにより、この安物買いが肯定的に捉えられるようになり、若者から中高年までの間に広がっています。
ブランド力のある企業にとっては困った現象ですが、面白いことに、平替の影響を大きく受けている企業とあまり受けていない企業があります。どの企業が影響を受けているかを客観指標で示すことは難しいですが、私の主観だとユニクロの中国事業は影響を受けてなく、スターバックス中国は大きな影響を受けています。このような企業はどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、平替という消費行動についてご紹介し、影響を受けるブランドと影響を受けないブランドはどこが違うのかを考えます。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 229
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▼目次▼
平替とはどのような消費行動か。影響を受けるブランドと受けないブランド
小米物語その148
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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平替とはどのような消費行動か。
影響を受けるブランドと受けないブランド
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今回は、広がってきた消費行動「平替」についてご紹介します。
時代の変化のスピードというのは非常に速いものです。多くの人が中国経済は低迷をしていて、つける薬もないと思っていますが、中国メディアや米メディアは「底打ちをしたのではないか」と報じるようになっています。「中国経済、ついに底打ちか?」(ウォールストリートジャーナル、
https://jp.wsj.com/articles/is-chinas-economy-finally-bottoming-out-3adff9f3)などがその典型例です。中国メディアも、住宅市場が弱さはあるものの動き出していることや輸出が好調であることなどから底打ち感が出てきていると報じるようになっています。
ただし、「明るい兆しが出ている」とまで言えないのは、個人消費が凍りついていることと失業率の高止まりです。
社会消費品小売総額(個人消費に相当)の伸び率は決して悪い数字ではありません。しかし、2023年の伸び率が高いのは、前年の2022年に新型コロナの感染再拡大があり、個人消費が落ち込んだことによる反動です。
国内旅行は好調ですが、平時にはみなお金を使わなくなっています。「平替」(ピンティー、代替品)という言葉が流行をしています。平替とは、平価代替品(安価な代替品)の略で、ブランド品の代わりをする低価格商品のことです。「ユニクロの平替はこれがおすすめ」などという記事がSNSに出回っています。買い物をしなくなっているわけではありませんが、価格には敏感になり、無駄な出費はしない、低価格のものを求めるという習慣が定着をしています。
このようななじみのない代替品は「白牌」(バイパイ、ホワイトブランド)と呼ばれていて、SNS「小紅書」などでは盛んにどの白牌だったら買う価値があるかという情報交換が行われています。
この平替が興味深いのは、最初は「お金がないから安い同類の商品で我慢をする」ということがきっかけだったかもしれませんが、結果として消費行動の王道を行くようになっていることです。
平替は安いものならなんでもいいというわけではなく、安くても品質が悪くては意味がありません。そのため、誰もが価格と品質のバランスを見極めようとします。その情報源としては、おなじみのSNS「小紅書」(シャオホンシュー、RED)が盛んに使われます。価格と品質のバランスを見極めるのは、手間はかかりますが、消費者としては正しい姿勢です。しかも、最適の平替を見つけるにはECだけでは難しく、店舗に出かけていき、現物を見ることもします。つまり、商品をよく確かめて、店舗を巡って、いちばんいいものを選び出す。それが買い物の仕方の王道であり、しかも適度な手間であれば楽しくもあるのです。
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