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『 田中優の未来レポート 』
第307号/2024.5.15
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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「空軍」を忘れていた地球温暖化論
前回紹介したNHKの「超進化論」の話の中で、大気中を飛ぶ「シアノバクテリア」という光合成をする微生物が、大気中で光合成して二酸化炭素を吸い、酸素を排出しているという話をした。
イラスト:シアノバクテリア
問題はその量で、なんと世界中の森林が生み出している量と同程度を大気中でシアノバクテリアが生み出しているというのだ。
参照:「空気中の微生物を調査したら、地球の50%もの光合成をしたり五大栄養素のミネラルを供給したりしていたと驚きの結果が続々!」
https://gendai.media/articles/-/107466
もしそうだとすれば、従来考えられてきた二酸化炭素の吸収源の数値とは大きく異なることになる。全世界の植物が吸収してきたはずの二酸化炭素と同じ量が大気中で吸い取られていることになるからだ。
地球温暖化を起こすはずの二酸化炭素が予想外に吸い取られていて、その分だけ温暖化の予想は遅れることになる。
いわば軍隊には「陸海空軍」があるが、戦争中にその中の「空軍」を計算に入れてなかったような話だ。地球温暖化という世界的に注目されている話に「空軍」が抜けていたというのは、絶望的に間抜けな話ではないだろうか。
実は地球温暖化に対して懐疑的になったのは温暖化を知ってから40年以上も経つのに、温暖化を実感できないからだった。もちろん温暖化論を信じていたし、他の生物への影響も懸念していた。しかし高まるはずの海水位も変わらないし、言われていたほどの高い気温に悩まされることもなかった。私としては自分で言ったことほどの深刻さは訪れることがなかったのだ。もちろん高温に暑いと感じることもあったし、暑い年もあった。しかしそれは年格差の範囲内のことだったし、それが間違いないと言えるほどではなかった。「地球温暖化」について自ら書いた本に対しての責任もあって、困り始めていたのだ。
親しい温暖化を信じている友人たちからは「元の立場に戻らないか」という誘いもあった。しかし今までの自分の人生の中の年数が過ぎ去る内、今直感的に感じ始めたことに嘘はつけなかった。これはたぶん変動の範囲内のことであって、特別に地球温暖化していると信じるに足るものではないと思うようになったのだ。
その大きなものは東大から発表された「日本の森林の炭素貯留能力は本当はムチャクチャすごかった!」という論文だった。なんと新しく算出された森林炭素蓄積量・炭素吸収速度は、炭素換算で30.16憶トン・4850万トン毎年となり、これまで発表され正しいと信じられていた値の、それぞれ1.72倍・2.44倍となる」というのだ。
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